黒死病の流行で人口が激減した後の時代のヨーロッパ……という設定は『アグリコラ』でもおなじみですが、
も同じく人口が激減した結果、産業とかサプライチェインがすっかり衰えたヨーロッパの村を、職人たちをスカウトしていって発展させ、お金を貯めるのが目的。
ゲーム開始時には各プレイヤーの手元には
開祖と金貨8しかありません。
基本職業である《木こり》《藁積み》《鉱夫》はたくさんいて……
村を失った職人たちが「道」にあふれています。
道には次々と人々やってきます……だいたいプレイ人数×2枚の山が6山くらいある感じで。
2つ目の山と最後の山の底には決算を表す市場カードがあります。
こいつが現れたら決算です。
この状態から村の人生村の発展がはじまります。
ゲームは毎ラウンド、この「道(およびその上の山札)」の村人を時計回りに1枚ずつドラフトしていきます。
次にどのジャンルの職業が引かれるのかはカード裏で分かるのがミソ。
最終的にドラフトする枚数は、「2+あなたの村が供給できる食糧数」枚までドラフトしなければなりません(最大5枚)。
(これが意外と忘れるので「村広場タイル」に置くのだ。)
このドラフトが終わったら、こんどは手番順に村の建設になります。
建設にも枚数上限があって、「2+建設アイコンの数」までとなります(最大5枚)。
見えているこの家のアイコンが建築の枚数を決めるわけです。
ここで重要なのが生産チェーンと錠前
生産チェーンはその職業を村に建設(配置)するのに、すでに置かれていなければならない職業があるというもの。
例えば……
樽職人を出すには《木こり》→《樽職人》の順でチェインにする(重ねていく)必要がある。
生産チェーンの最初のカードには、2枚カードを置けるのでよく考えて置こう……
あと各職業は2枚ずつしかないので、この先のことを考えておかないと生産チェーンがうまくつながらなくなるよ!
錠前が付いている職業は、特定の職業がゲーム中に登場しているかチェックします。
錠前マークがある……
《鍛冶屋》にもリマインダがある。
ゲーム中《鍛冶屋》を必要としているカードは10枚。2金貨。
他のプレイヤーの所にいればそのプレイヤーの職人に金貨を払い、
どこにもいない場合はバンクに金貨2を払います。
(「ゲーム外」の村人の上に金貨が乗っているに違いない……)
……つまりなるべく自前で錠前を外せた方が金銭的にお得です。
あと、基本村人《木こり》《藁積み》《鉱夫》(木材、藁、鉱石に対応しており、それぞれ関連職業の起点となる職業)は手札を任意の山に戻すことで建設フェイズに獲得して置けます。
これも各産業の起点をちゃんと獲得し、かつ山札に戻すカードをどれにするか(つまり、次以降のラウンドでほかの人に取られたりするので)考える必要があります。
つまりドラフトするにしても、自分の村の建築、ほかの人の村の建築(の邪魔とか)、自分が建設するときに開錠条件の職業は建築されているのか、手番、基本村人の確保(これほかの人が欲しがっているカードカットするのにもいいよね)……などなど見ておくところはたくさんあります。
毎ラウンドこのように、村人の獲得と建設を繰り返していきますが、大事なのはゲーム中2回ある市場フェイズ。
各市場カードが空になったら、建設のあとで市場フェイズが発生し……
「村人に表示されているだけの金貨」+「村人の上のコイン」と同額の金貨を受け取ります。
村人の上コインはまだ獲得はできません……これは2回目の決算まで残しておく必要があるから。
このカードの上のコインは「ほかの職人に役に立った度合いマーカー」と言ったところでしょうね。
2回目の市場フェイズも同じように金貨を獲得できますが、最初の市場フェイズでは役に立たなかった銀貨シンボルもその数だけ金貨を獲得できます。
プレイとしては、この2回の決算のために、効率よく村人を獲得して村を建設していくことになります。
ルールはシンプルで、どの様な職業のチェーンでほかプレイヤーより効率の良い収入システムを組むか……がメインの、数字管理の部分は極力少ないデザインのドラフトゲームで、手番ごとにどう村人を集めていくのかは悩み所ですが、他のプレイヤーのカードを奪ったりするような直接の干渉は無く、「ほかのプレイヤーのプレイをよく見ておけ」というのは、そのほかのドラフトゲームと共通するところではあります。
村人を増やすことで、点数に繋がる金貨アイコンが増えていくかもしれませんし、結果食料アイコンが減るかもしれません……そうなるとカードをドラフトできる枚数でまけてしまいます。
決算時に各「資材」を点数化できる職業もあるので、チェーンをつないで獲得できるようにしておくべきですが、そもそも建設アイコンが少ないと配置できるカード枚数で負けてしまうので、建設の数にも注意が必要。
また決算ごとの職人の価値を高めてくれる「開錠」はかなり有効なので、ほかのプレイヤーが欲しがっているような職業のルートを取るのももちろんありです。
このように基本はシンプル、プレイ時間も短時間で終わるお手軽なゲーム。
慣れてくるとカードの相性やルートが見えてくると思いますので、繰り返しのプレイをオススメいたします。
ヴィレジャーズ
プレイ人数:1-5人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30-60分
製作:Sinister Fish / CMON
デザイン・イラスト・グラフィック:ハーコン・ホール・ガールダー
価格:3,600円+税