今回紹介いたしますのは
もととなったゲームズワークショップの『タリスマン』は実に1983年に初版発売以来版を上げて出版され続けてきたファンタジーボードゲームの古典的名作ですが、『タリスマン・伝説の勇者たち』はこのオリジナルの世界観などをそのままにした、協力ゲームとなります。
ゲームの目的は、強大な力をもたらす支配の王冠にたどり着くカギとなる魔法の護符、“タリスマン”を集めること。
そのためにプレイヤーは一致団結して、連続する5つのアドベンチャーに挑戦することになります(今回は支配の王冠を奪い合うことはありません……)。
登場する種族はもとのゲームよろしく……
戦士
魔法使い
占い師
ドワーフ
エルフ
トロール
もとのゲームではこのキャラクターの種類が山ほどいましたが、基本は押さえている感じ。
ゲームは全部で5話からなる、連続したシナリオで構成されています。
まずはシナリオ通りにマップを配置します。
遭遇するトークンも記載通りに準備します。
スタート位置などはシナリオの規定によりますので、こちらをよく読んでおきましょう。
アドベンチャーシートを用意して、時間カウンターを置きます。
置く場所にって獲得するキャンペーン点が変わります。
これは次のアドベンチャーに挑戦する条件となりますので、自信があれば難易度を上げてどんどん次ぎのアドベンチャーに挑戦したいところです。
準備が終わったら、何があったのかをアドベンチャーシートを読んで確認します。
……冒険の始まりです!
ゲームは時計回り順に手番を得て進行します。
手番を得たら……
1)移動ダイスをふる
ダイスをふってその数まで移動します……昔ながらのタリスマン!
(天候が悪かったり、道に迷ったり、何かトラブルがあったりしたんですよ……)
移動するとき裏向きの遭遇は通過できますが、表向きの遭遇は無視できません。
目が良かったなら先に行ってもよいし、ここで「遭遇」してもよい。
ダイスの目のうち魔力の扉だったら……魔法のポータルが開き、好きな場所に行くことができます。
砂時計が含まれていたら、経過時間トラックが進んでしまいます。
これが最後のスペースに入ってしまったら時間切れ……ゲーム終了となります。
2)遭遇を解決する
移動先に「裏向きの遭遇」があるなら表向きにします。
(「表向きの遭遇」があれば、そいつに出会います。通過できないしな!)
そして遭遇を解決します!
(解決=基本ぶん殴って言うことを聞かせる……だいたいが敵だ。)
遭遇には「どのアイコンで倒せるのか」が記されており、タリスマンらしく「剣」と「魔法」があり、そのアイコンを引いていればそれを割り振って倒すことができます。
《コウモリ》は魔法アイコン1個、《イノシシ》は剣アイコン2個で倒せる。
他にも時間が進んでしまうアイコンとか、自分か他のプレイヤーのバッグから1枚引いてもらうとか特殊なアイコンのトークンもあります。
「時間が進む」「自分かほかの人の袋からトークン1枚を引く」「剣+トークン1枚追加で引く」「時間が進む+トークン1枚追加で引く」
キャラクターによりアイコンの比率は異なり、得意な敵・不利な敵があり、キャラクターによっては倒せない敵が出てきますので、そんなときは助けに行こう!
(加えて各キャラクターには特殊な能力があります……戦士に関しては、トークンに他にはない特徴のものがあります。)
……さて自分の袋からトークンを3枚引いて……アイコンを確認!
倒せた。
引いたトークンはわきによけておき、「トークンを引く」機会が来たときすべて戻すことができますので(しなくてもよい)、残ってるトークンは何かを気にしつつ、いいタイミングで袋に戻すようにしましょう。
必要なアイコンを引いて、割りふれた敵は倒せますが、必要なアイコンが足りなかった場合はその場に残ってしまいますので……
例えば、ドワーフが《巨大クモ》に遭遇しましたが、魔法アイコンが2つ。
すでに引いているトークンはこの3つで、残りに魔法アイコンは皆無だ。
「トークン3枚を引いて魔法アイコン2個を出す」は無理なので袋に戻そう……それでも可能性は高くないけど(「魔法」と「ほかの人の袋から引いて助けてもらう」が引けないとダメ)。
プレイヤーのキャラクターが倒されたり、ダメージを受けたりすることはありませんが、キャラクター共通のヒットポイントともいえる貴重な時間を浪費してしまう可能性がぐっと増えるので、こまめに敵を倒すことは重要と言えるでしょう……ただし、ゲーム途中で脱落することがないのが親切な作り。
そして敵を倒した場合は、報酬として宝物トークンを袋から引くことができます!
「魔法」2個の《魔法のクリスタル》とか、ドワーフにあげたい……今一緒にひいた「砂時計」を1個打ち消す《兜》や《盾》いい!
時間トラック(=共通ヒットポイント)を1マス戻す《治療師》とか《魔法のつえ》もいいな!
獲得した宝は誰かの袋に入れます。自分の袋でなくてもよいのがポイント。
得意なことを伸ばすも善し、苦手なことを補完するも善し!
うまく相談して、時間までにシナリオ達成条件クリアを目指しましょう!
このように、ルールは簡単でプレイしやすく運の要素が強めでバッグビルドは制限緩めとなっておりますが、ゲーム初心者でもすぐに理解できる作りとなっています。
シナリオは全5話ですが、チュートリアル的なお使いシナリオ「呪いにかかったフェアリー」から始まって、いきなりの強敵と戦う「ドラゴン退治」じゃシナリオ後半でがらっと展開が変わり、後半が結構手ごわい「強欲なゴブリンども」、『タリスマン』名物ともいえるカエルがキーワードの「カエルの災難」、ミステリアスな雰囲気のシティアドベンチャー「暗黒の支配者」と、バラエティに富んだシナリオとなっており、どの話も前半から、一転しての後半の展開はゲームズワークショップっぽいお話のつくり(いや今作のデザインはペガススシュピーレだけど)。
リソースやりくりしながらウンウンうなるタイプのゲームではなく、わいわいと相談しながらお話を体験していくスタイルなので、ゲーム初心者を交えてとか、子供を交えてプレイするのにかなりオススメできる内容となっております。
タリスマン・伝説の勇者たち
プレイ人数:1-6人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:20-40分
製作:Pegasus Spiele
デザイン:ミヒャエル・パルム、ルーカス・ツァッハ
価格:5,600円+税
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