と言うわけで、今日紹介するのはアバロンヒル・ゲームズ時代に当社が輸入していた……かどうかも怪しい(何せ30年近く前だ……1981年発売なので、同時期の新製品は……サイコロいっぱい『ムーンスター(Moon Star)』とか、『西部戦線異状なし(The Guns of August)』のころ? 実のところ当社にも記録が全く残っておりません……)、トリックテイキングの古典、
アラン・R・ムーンの
ブラックスパイ
です。
えー、思いのほか売れてるトリックテイキングのゲームなので、発売からちょっと経ってるけど紹介ですよ。
トリックテイキングと言うジャンルは……当社日本語版扱いですと、『ライナー・クニツィアの革命万歳』や『ドワーフの王様』や『ホビットの冒険カードゲーム』が日本語版で出ております。
『ライナー・クニツィア革命万歳』は、ちょっとクセがあるので置いておいて、『ドワーフの王様』はスートが3種類しかなく、いろいろな勝ち点の取り方のバリエーションがあるので初心者啓蒙用には使えるゲームですし、『ホビットの冒険カードゲーム』もキャラクターでつってトリックテイキングとは何ぞや、とやるには良いゲームなんじゃないかと。
で、この『ブラックスパイ』はというと、どっちかと言うと初心者からステップアップする段階くらいのゲーム。
トリックテイキングに関しては(ry
・ランクは1~11
・スートは5種類 / ただし黒の7だけは6枚ある。
と言う内容で、各カードのランクは諜報員のランク。
一番小さな数字【1】は情報提供者。
【7】はやはりと言うかスパイ。ジェームズ定吉も7番だからな。
てな感じ。
ゲームの手順としては、
1)カードの分配とパス:カードを配って、手元の3枚を左(もしくは右)のプレイヤーに渡す。邪魔なカード、揃えたくないカードカードを渡すと同時に渡されるわけです。
2)トリックはリードの色、もしくはランクでマストフォロー。トリックはリード色で最大ランクの人が獲得。
得点は黒いカードが+点で、もちろん「ブラック・スパイ」である黒の7が最大点数の10点。一方、ほかの色のスパイ(カウンタースパイ?)は-5点。
3)何れかのプレイヤーが既定点になるまでディールを繰り返し、得点の最も少ないプレイヤーが勝者。
……と、いった感じに選択ルールが何種類か。
大きくそのほかのトリックテイキングのゲームと変わっているのは、黒の7が複数ある点と、ランクでフォローできること。
写真の場合、このいずれかが出せるということ(緑の9を出してるやつに、黒のスパイを潜入させちゃえよ!)
地味と言えば地味ではありますが、じわっとたったこれだけのルールが効いてくるのがトリックテイキング系の面白いところ。
まず最初にカードのパスで思わぬ状況となり、ランクもフォローするというルールで、つまらないところで点数を取らされたりと、思わぬ展開なプレイ感も想像通りとなると思うのでこれ以上は書きませんが(よっぽど変わったフューチャーがない限り、大幅に期待とか予想からは外れない安定のゲーム内容)……それにしてもコンポーネントはカッコイイ
ボックスオシャレ。プラスチックトレー付。スコアパッドもついてるよ。
そしてオマケのコースター。
ゲームには全く使いませんが、「お茶でもしながらゲームでもドウデスカ?」とやるのに使うんだと。
さすがフランス人(Z-MAN Gamesはカナダ・フランス系のフィロソフィアゲームズが親会社)。
しかも、フランス市場ではちゃんと効果があったので、今後のこのサイズのゲームには全部つけるんですって。
と言った感じで、トリックテイキング好きな人や、初心者をチョット骨のあるトリックテイキングに誘いたい人には(せっかくコースターもあるんだからお茶にでも誘って)等にお勧めいたします。
アラン・R・ムーンのブラックスパイ
プレイ人数:3-6人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:約45分
製作:Z-MAN Games
デザイン:アラン・R・ムーン
価格:2,600円+税