さて、今回紹介いたしますのは、諸般の事情により発売が大幅に遅れていました動物に関するトリビアゲーム、
ファウナ
です。
ゲームはファウナ(動物相)のタイトルの通り、動物の生息域や大きさ、重さを当てるトリビア系のゲームです。
プレイヤーは最初6個の『推測コマ』を受け取ります。
お題の動物カードは全部で180枚で、両面併せて360種が含まれます。
収録されている動物は全世界の魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類から、メジャーなものからマイナーなものまで、山ほどいるものから絶滅危惧種まで、ありとあらゆるものが選ばれています。
これだけあるので覚えきってしまうことはそうそうないと思われますし、覚えたら覚えたでトリビアゲームの目的は半分果たしたようなものだ。
なお、緑の面は簡単め、黒の面は難しめとなっています。
カードには、当てなければならない項目が書かれており、正解のデータは見えないようになっています。
プレイヤーがわかっているのは、
・分類(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)
・名前(和名)
・学名(ラテン語)
・イラスト
だけで、これを見て当てなければならない項目(地域と地域数、体重、体長、全長、全高、尾長が記されています)を推察します。
ちなみに全長は頭の先から尻尾の先までの長さで、体長は尻尾を除いた長さです。
以上の情報から……スタートプレイヤーから1個ずつ、推測コマを順番に配置していきます。
この時、すでに推測コマが置かれている場所には置けないので注意。
これを全員がパスするまで繰り返して、得点を集計します。
正解だと高得点、ニアピンでも点数が入ります。
ただし、外した場合は推測コマは没収され、一時的に使えなくなってしまいます!
(没収された推理コマを1個、もしくは手元の推理コマが2個以下なら3個になるまで戻します。えー、つまり推理コマは、1個までならハッタリで使っても良いってことですな。)
これで1ラウンド終わりで、誰かが既定の点数になるまでラウンドを繰り返します。
欲張ると間違えたときに推測コマを大量に失ってしまいディスアドバンテージになるため、誰かを嵌めるためにあえて間違った場所に置いて間違いに誘導する。
ほかのプレイヤーの知っていそうな項目を優先的に潰す。
自分だけが知っていそうな場所を後回しにしておく。
――等々のトリビアゲームならではの緩めの駆け引きもあり、動物好きならなおのこと、いろいろ盛り上がるでしょう!
もちろん動物に詳しいと有利でしょうが、世界の地理と気候、生物分布域、進化史なども知ってると有利かな?
たとえば、『フクロモモンガ(Petaurus Breviceps)は、和名から有袋類であること、そして形態から樹上生活の生物であることがわかれば、オーストラリア大陸で樹木がある砂漠以外の地方に生息しているのだと推測できるとか、知らない動物でもいろいろ手がかりは隠れています。
もちろん、動物の名称から生息地域名がわかる場合もありますが、そもそもが学名に生息域が書いてあったりする場合もあるので仕方がない。
たとえば『シロイワヤギ(Oreamnos Americanus / オレマノス・アメリカヌス)』『バンテン(Bos Javanicus / ボス・ジャウァニクス)』『ピグミーウサギ(Brachylagus Idahoensis / ブラキラグス・イダホエンシス)なんかは和名では生息域が不明ですが、学名を見ると一目瞭然ですわ(アメリカ、ジャワ、アイダホの地名がそれぞれ入ってる。
このように学名で結局ばれるカードが結構あります。
日本語版翻訳に際し、「和名で地域バレする動物は、俗称や省略した名前にしては?」という案もありましたが、学名が併記されている以上それでは単なる間違った名前になってしまいますし、ここは和名をつけた先人の、わかりやすい命名に舌を巻いておきましょう。
トゲアリトゲナシトゲトゲとかいい名前だよね!
収録されていないけど。
ルールは簡単ですが駆け引きも楽しく、動物好きなゲームをあまりしていない友人と遊ぶ、子供と遊ぶなどの場合にはかなりオススメいたします。
ファウナ【日本語版】(Fauna)
プレイ人数:2-6人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約45-60分
製作:Huch! & Friends
価格:5,000円+税
P.S.
なおドイツ語版についていた小事典は、実はドイツ語版だけのものになります。
ライセンス版は世界共通で付属しておりません。
しかもカードと収録されている動物が微妙に異なっていたりと、翻訳するとしたら監修はその道の人にしてもらわなければならなかったでしょうね……その場合は価格はウン千円どころじゃなく値上げしなきゃダメだったかな?