もうすぐ見えてくる夢を『十二季節の魔法使い』


GEN-CON’s NEWもひと段落して……気が付くとEssen’s Newの季節……
余りに時間が過ぎるのが速い!
そしてGEN-CONでの先行お披露目が大好評でも何の反応もないのに、同じゲームがエッセンで評価されて初めて動き始めるのが日本のボードゲーマー事情(そして予約なんかで手遅れになって難民発生)……もうちょっとアメリカ情報も見ておいたほうがいいと思うよ!

……と、いうことを。
「世界の七不思議」の時にも訴えたので、今年はGEN-CONでの動きを聞いて日本への上陸を長らく待っていた人も多かったのではないかと思われます、
十二季節の魔法使い
(Seasons)

がおそらく今日、明日あたりには各お店には到着するので紹介いたします!



ゲームは魔法の王国クシディット(Xidit / DixItのアナグラム / 魔法の国ザンス Xanthのパロディでもあるのでジディットにするか悩んだ)での、3年12季節にわたる魔法試合がテーマの、カードゲームであり、ダイスゲームです。

プレイヤーはクシディット王国の魔法使いとなって、十二季節の術闘と呼ばれる、3年にわたる魔法試合をすることになります。
3年が過ぎたとき、集めた『クリスタル』と場に出した魔法カードの名声値(すごい魔法のアイテムや使い魔ほど点数が高い)の合計から、使いきれなかった魔法カードとゲーム中に使った特殊行動分のペナルティを引いた合計が高いほうが試合に勝つことができるのです。

季節によって、出やすい魔力、出にくい魔力、決して出ない魔力があり、クリスタルに変換する場合も季節によって価値が変わる。

そのために重要なのが……

◆季節ダイス
春夏秋冬4色の季節ダイスがあり、それぞれ5種るいあって出目の内訳は全部異なります。
このダイスはそれぞれの季節につき、人数+1個使用します。

1)ゲームは今ダイスをスタートプレイヤーがふる。
2)ターンプレイヤーから時計回りにダイスを1個取る
3)ターンプレイヤーから自分のターンのアクションを行う
 -『ダイス』の解決。
  出目によって、
  クリスタルを得る
  カードを山札から引く
  魔力を得る(魔力は青い水、緑の土、黄の火、赤い風の4色あり、季節によって出やすかったり、
   出にくかったり、全く出にくいことになります)
  魔力をクリスタルに変える(『変転』と呼ぶ)
  召喚ゲージ数を増やす

 -通常のアクション
  『変転』したり(季節によって相場が変わる)、パワーカードをコストを払って使ったりします(何枚使用しても可)

4)余ったダイスのドット数だけ月が進む(ダイスドラフトの時、季節の進行も考える必要がある)

人数が少ない場合、ここからランダムに抜くので、ゲームに登場しない『目』もあり得ます。

5)左隣の人にスタートプレイヤーが移る

と、実はシンプル。
しかし、問題はTCGの影響を色濃く受けている50種類のパワーカードの能力です!

◆パワーカード
パワーカードは、難易度によってやり方が異なりますが、通常はシャッフルした山札から最初に9枚配られ、それを『世界の七不思議』等でおなじみになった、『1枚ピックして残りを左に回す』ドラフトの要領で選びます。

このようにドラフトで選んだカードを、1年目の手札3枚、2年目に手札に加える束3枚、3年目に手札に加える束3枚に分けます。

カードのコストは魔力やクリスタルで払いますが、
1)魔力は7点までしか貯められない
2)カードは召喚ゲージの数値までしか自分の前に出せない

という制限があります。

そのため、ダイスで獲得する各種リソース(魔力、クリスタル、召喚ゲージ)をコントロールしつつ、カードをプレイする必要が出てくるのです!

魔力と召喚ゲージ、ボーナス使用回数がこのボードで表示するリソース。

そして、カードの効果は場に出たときのトリガー能力(所謂CIP)常在型の能力(永続効果だったりトリガーだったり)起動型能力(タップ横にする必要あり)、とTCGになじみのある人にはおなじみな感じの能力があり、これを駆使することでさらに魔力を貯めたり、クリスタルを生み出したり、ほかのプレイヤーのクリスタルを奪ったり、召喚ゲージを増やしたり、ゲーム終了時にクリスタルをごっそり得たり、魔力の色を変更したりできるのです!
そして当然カード同士の相乗効果も何通りも考えられるため、カードのドラフトとプレイングがかなりウェイトが高めとなってきます。

そのため、自分のターンにいろいろでき始めるようになると、がっつりとすることがあって、その必勝状況を組み立てていくことができるとむちゃくちゃ楽しいというタイプのゲーム。
ほかプレイヤーとの絡みは軽めで(カードの能力でも『嫌がらせ』くらいな感じだし、ダイスドラフトは直接的な対決じゃない)、それでも勝つためには「スキル」がかなり必要なゲームとなっております。

そのため、
『ドラフトであらかじめドクトリンを固められない』、『ほかのプレイヤーの状況を組み立てているのが待てない』、『ほかの人との絡みが少ない(ように見える)のはダメ』なひとは苦手なタイプのゲームですが、
『ドラフトによる駆け引きと構築が楽しい』、『ほかの人の手番のプレイングを見て、手札ややりたいことを推測しているのが楽しい』、『寧ろ直接的ではなく絡みが少ないほうが気が楽』な人は向いていると思います。

カードのイラストも美麗なもので、なぜか『エクスパンションシンボル』が入っているので続編もあるかもしれません。
(シールも気張ってフルカラー!)

箱にもすっきり収納

勝ちパターンも多く、運による揺らぎも適度にあり、リソース差がある場合も、プレイングでの逆転もある程度可能。
決して万人にはすすめません。苦手な人は徹底して苦手なタイプのゲームですし。
しかし――TCGになじみのある人でコンボ好き、リソース管理好き、ドラフト好きな人には強くお勧めいたします!

十二季節の魔法使い(Seasons)
プレイ人数:2-4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:約60分
ゲームデザイン:レジ・ボネセー
製作:Libellud
価格:6,000円+税