さて、今回ご紹介いたしますは昨日当社より出荷いたしましたエンデバー【日本語版】です。
まだ世界地図が完成していなかった時代…新たな土地、新たな同盟関係、新たな戦利品を求めて、列強国は地球上の最も遠い場所へ自分たちの船を送り込み、領土拡大を狙っていた。新発見の世界の富は、強さをつかみ取ることのできる魅力を持っていた。
本作でプレイヤーは、地中海沿岸に植民地を持つ西欧の帝国の代表となり、帝国の栄光と、産業、文化、財力、政治の価値を増やすために世界を航海します。
ゲームボードには、インド、南アメリカ、アフリカなどのエリアがあり、それぞれの航海ルートが埋まると、その地域の攻撃、植民地化、資源の採取が可能になります。自分の手番には、建物を建て、その特殊能力を使用し、国力増強をして人を集め、さらに新しいアクションの実行が可能になる。ゲーム終了時に、最も多くの栄光ポイントを獲得したプレイヤーがゲームに勝利します。
ゲーム背景的には、ヨーロッパ世界が大航海時代を迎えてから、19世紀に世界に未到達の地域がほぼなくなったころまでの時期を扱った帝国建設テーマのゲームです。
というわけで、いざ大航海時代へ!!
プレイヤーは帝国の為政者となって、国家運営に当たります。
国家のステータスは「産業」「文化」「財政」「政治」のステータスがあります。
「産業」が高ければ高いほど、高度な「建物」を建てることができます。
「建物」は対応するステータス(たとえば、「劇場」は「文化」)を伸ばしたり、国家を繁栄させるアクションを実行するのに必要です。
「文化」は高ければ高いほど「人口」の増加が早くなります。
「人口」は何かのアクションをするための労働力となります。人は石垣、人がいなければ何もできません。
「財政」が高いと、アクションを実行しおえた「人口」をより多く再使用できるようになります。金が回らないと国家も回りません。子供手当てどころじゃないですよ!
「政治」が高いとより多くの「カード」を場に出しておけます。
「カード」は地域で得られる権益をあらわしており、各ステータスを伸ばします。政治力が無い国は、ほかの地域への影響を与えられないわけで、その分国力が衰えることになります。内政で滅んだ国は無いですが、外交で滅んだ国は山とあります。外交による得点は国家にとって重要ですね!
…もう、この時点でうまいこと人と金を回すためにハコモノ作って政治力を上げて、でもそのためには産業が高くなくちゃだめで、じゃぁどうしよう、というと海外侵略進出です。
狭い欧州では成長に限界が来るので、南米、北米、カリブ、アフリカ、インド、に出ていって富を獲得していけばいいのです!
史実のオランダだって、一時期狭い欧州でフランスに占領されて自国領土の無い国だったんですぜ!!
何より、勝利条件の「栄光」は都市を支配していたり、都市をつなぐ連絡路を支配していたり、「栄光」が増えるカードを持っていたりしなければなりません。
神の命ずるままに、自らの義務として大海原に出るのですなう!
…でもそのためには、
<出港>アクションで「人口」を割いて航路を確立して(航路上にランダムに置かれる、ステータスが伸びたりアクションが使えるようになる「貿易トークン」が手に入るのですが)、
確立したらしたで「人口」を割いて<占領>アクションを実行し、都市を占領して、
邪魔な他国の支配している都市は<攻撃>で奪って、
その地域にある「カード」を<カードを引く>で引いて、
で、そのアクションの実行のためには「建物」を建ててつつ「人口」を割り当てて、
そのままだとそのアクションは再度使えないので「財政」を高めて給料払って、
ああ「人口」も割り振らないとカードが引けないかもしれないなぁ、じゃそのためには外征をして…
と、いろいろマネジメントしなければならないことが多く悩みどころも多いのです!!
正直行き当たりばったりじゃうまくいかないし、運の要素が無いのでうまくいかないのは全部自分の責任ですね(←反省)。
ルールは簡単ですが、しっかり経営方針を考えつつ国家を育成していかなければなりません。運の要素は交易ルート上に置かれる「貿易トークン」だけで、どちらかというとこれは毎回地域の重要性に変化を持たせる意味合いしかないため、盤面と他人の行動をじっくりにらみつつ、成長の手順を考える必要があります。
7ラウンドでゲームは終了し、最後の栄光ポイントの得点は、自分の支配している都市、都市間の連絡路、国家のステータス、確保しているカードにある点数、建物、人口などが得点になります。奴隷は地域への航路を確立する必要が無い欧州で、序盤から引ける便利なカードですが、「奴隷制度の廃止」後はマイナス点となってしまいます。
シンプルでプレイ時間もゲームの規模からすると比較的短く、ボードの状況を判断して的確な計画を実行できる人が勝利に近づく良ゲームとなっておりますので、マネージメント系ゲームがお好きな方、運の要素が少ないほうが良い方にオススメいたします。できればフルメンバー5人プレイで遊ぶのが良いでしょう。
■商品名:エンデバー【日本語版】
プレイ人数:3人~5人 12歳以上
プレイ時間:約90分
製作:Z-Man Games
日本語版販売:ホビージャパン
デザイナー:カール・ヴィッセル&ジャラット・グレイ
価格:¥5,600+税