敵と戦う時間は短いものです。自分との戦いこそが明暗を分けるのです。『ドワーフの王様』


今回紹介いたしますのは、中国で製造している都合、全世界で最速の発売となるブルーノ・フェイドゥッティの新作トリックテイキングゲーム、
ドワーフの王様です。

トリックテイキングのゲーム自体はトランプでもおなじみのゲームのジャンル。
色々バリエーションがあるのですが、当社でも日本語版で出ている『ライナー・クニツィアの革命万歳カードゲーム』とか、『ボトルインプ(Bottle Imp)』もトリックテイキングゲームですな。
で、ドワーフの王様でのルールを説明すると……

カードはドワーフ(緑)ゴブリン(赤)ナイト(青)の3種類のスートがあります。
各スートには通常カードが2から10の数字札と、J、Q、K、Aの字札(王族/ロイヤル)があります。

……ここまで1種類スートが少ないトランプと同じですな。

加えて特殊カードが各スートに1、11、11の3種類ずつ
スートの無い特殊カードが5種類あります。

コレが普通のトランプと違う部分ね。


カードはタロットサイズ/ロングサイズ。トレーディングカードでこの規格があったはずなのでスリーブは存在しているのかもしれない。
結構手になじむサイズなので流行って欲しい規格だなぁ。

さて、勝負は7ラウンド行います。
カードは通常カード+毎ラウンドランダムに1枚の特殊カードを使用し、各プレイヤーに均等な枚数だけ配ります(3人のときはドワーフの2を抜いて39枚/各13枚、4人のときは40枚/各10枚、5人のときは40枚/各8枚)。
特殊カードは獲得したら得点が倍になったり、手札を交換したり、他のカードの能力をコピーしたりと切り札と成りうるもので、しかも最初に何が加わったのかを公開します。
他にも各スートの5も特殊能力がありますが後述。

さて、多くのトリックテイキングのゲームと異なる部分が次のルール。
配られたカードの中に、ナイトの5があったプレイヤーは、クエストタイルを引きます。
このクエストタイル、2種類の得点条件が書かれており、ナイトの5を引いたプレイヤーはこの条件のいずれかを選びます。
つまり、このプレイヤーは自分の手札や今回の特殊カードを考えて、どっちが自分にとって得点しやすいかを選べるのです。

←例えばこんな感じで二者択一ね。

5人プレイの場合、キミならどうする?

一方そのほかのプレイヤーは、そのプレイヤーが選んだ条件からそいつの手札をある程度推理できるので、自分の手札を見て妨害の戦略や得点の道筋を推測できるのです。

毎ラウンドの最初のカードを出す人は、手札にゴブリンの5があるプレイヤーです。そのプレイヤーから順番に手札を1枚ずつ出し(トリック)ていきます。次のプレイヤーからは、最初に出されたカードと同じスートのカードを出さなくてはなりません。全員がこうやって1枚ずつカードを出したら、その中で一番強いカードを出したプレイヤーがそのカード全てを獲得します。つまり、トリックをテイクするわけ。次の最初にカードを出すのは、トリックを獲得したプレイヤーからになります。
同じスートが無い場合は好きなカードを出せますが、トリックを獲得することはできません。

コレが基本。

コレを手札回数繰り返して、手札がなくなったら得点計算をし、特殊カードを捨て、次のラウンドに移ります。
次のラウンドのディーラー(カードをシャッフルして配る人)はドワーフの5を獲得していたプレイヤーで、特殊カードを新たに1枚加えて全員に配ります。

コレを7回繰り返して、最も得点の多かったプレイヤーが勝者です。
実にシンプルなルールですが、読み合いや駆け引きも面白く(スートが3種類なのが結構効いていると思う)、得点条件が変わる部分で変化もあり、運の要素とプレイングの要素がいい感じの配分なので初心者に易しい内容だし、遊べる人数も3人から5人までと適度な感じなので、一つ持っていると空いた時間に軽くあそべたりするのでオススメです。
なお、得点管理のために別途にメモとかポーカーチップがあったほうがよいと思います。

ドワーフの王様
プレイ人数:3~5人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約40分
ゲームデザイン:ブルーノ・フェイドゥッティ
製作:Iello
価格:2,400円+税

ところで。
パッケージのロゴを日本語化したらIelloスタッフが大喜びで、データを送ってこなかったカード裏面も、こっちでレイアウトすることなく日本語ロゴに差し替えられた(笑)
フランス人にはカタカナとか漢字とか、かなりかっこよく見えるみたいだね!

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