GAME JAPAN特選ゲーム 「コンテナ(CONTAINER)」


好評発売中の「国富論(Wealth of Nations)」に引き続き、経済をテーマにしたゲーム「コンテナ」を紹介しよう。

このゲームは、
1.自分の敷地にお金を払って工場を建設する。
2.自分の工場で製品(コンテナ)を製造し、自分の敷地内の倉庫にしまう。
3.他のプレイヤーの倉庫にあるコンテナを購入して、自分の敷地の港の倉庫へしまう。
4.自分の船を他のプレイヤーの敷地の港につけて、そのプレイヤーの港の倉庫の商品を購入して船に積み込む。
5.コンテナを積み込んだ船で海に出る。
6.コンテナを積み込んだ船を外国の島の港に着港し、そこで積み荷のコンテナを競売にかける。

といった手順を繰り返して、ゲーム終了時に外国の島の自分の倉庫のコンテナを換金して、所持金の最も多かったプレイヤーが勝利する。

ゲームのシステム自体はシンプルで無駄な要素を削ぎ落した感じで、非常に理解しやすい。
ただこのゲーム内での経済と商品の流通は、あくまでも複数の相手がいて成り立つシステムになっているため、もうけすぎると、周りのプレイヤーからマークされてしまう。
商品を売る場合の価格設定は自分でできるので、人より安く売ったり買ったりといった商売の競争原理も働き、序盤はなかなか儲けを上げることができない。
資金難になると銀行から借金をするということになるが、借金をすると毎ターン利息の支払いをしなければならず、借金が多いと利息の支払いに追われ、最後には倉庫差し押さえのハメに陥ってしまう。
儲けどころは、外国の島でのコンテナの競売。これは握り競りによる同時入札になり、買う側も売る側もここが勝負どころとなる。入札額が気に入らなければ、売らずに自分の倉庫にしまう選択肢もあるが、若干思惑より安い入札額でも、ここで売却すると島の政府から補助金がもらえるため、ここでの駆け引きが重要だ。
また、最終的に自分の島の倉庫に置いたコンテナのうち、最も数の多い種類のコンテナは供給過多で自動的に捨てられてしまい換金できないので、買うコンテナの種類にも気を配らなければならない。

銀行よりも対戦相手との取引がメインの経済ゲーム。船のミニチュアに、コンテナを載せて海を行きかう様は雰囲気もばっちりで、これぞ相手ありきのマルチプレイヤーゲームだ。

プレイ人数:3~5人(できれば4人以上推奨)
プレイ時間:約90分
発売元:Valley Games
ゲームデザイン:Thomas Ewert, Franz-Benno Delonge
価格:8,000円+税

私的ゲーム評価
ルール難易度 :中 (ルールは複雑ではないが、勝ち筋をつかむのは難しい)
戦略性     :高 (儲けのコツは他人との駆け引き)
運        :低 (ランダム要素は、コンテナの価格表のみ)
コンポーネント :良 (カラフルなコンテナと、それを運ぶコンテナ船がテーブル上を行きかう様は雰囲気たっぷり)
言語依存度 :低 (ボードにちょっとだけ英単語、プレイには影響なし)