特選ゲーム新製品「Wealth of Nations (国富論)」を紹介します。
このゲームは、プレイヤーは国の元首となり、自国を富ませるために産業を興して、市場取引をしながら、経済原理に基づいて発展させ、世界一の経済大国となることを目指します。
ゲームボードは世界のキャパシティを表す、60か所のヘックスがある6角形ボード。
プレイヤーは、このヘックスにコストを払いながら自国の生産場を建設してき、そこから生産物を生産していくことになる。
このゲームでは、以下の6種類の産業が存在しそれぞれの生産場で、それぞれの産物を生産する。
・農業=農場=食物
・電力=発電所=エネルギー
・人材=学校=労働力
・鉱業=鉱山=鉱物資源
・工業=工場=資本
・金融=銀行=お金
それぞれの生産場が6角形のタイルになっていて、相応のコストを払ってボード上に建設し、相応のコストを払って運転することで、産物を産出する。
産出した産物がそれぞれの建設、生産コストとして投資し、産業を発展させて国力を上げていくことになる。
例えば、農場を新たに建設する場合は鉱石と資本が必要となり、工場を建設するためには労働力と鉱石が必要となる。
また、各生産場で産出した産物にはそれぞれ市場があり、売買が可能だ。ただしここでも市場原理はきっちりと生きていて、需要過多だと価格は高騰し、供給過多だと価格は暴落し、最悪の場合市場自体が死んでしまう。
以上の原則に則って、生産場の建設、産物の生産、産物の市場取引を繰り返しながら、最終的に最も資金を多く持っていたプレイヤーが勝利となる。
生産場や国家を表示する100枚を超えるタイル、各生産物を表す200個以上の木製の駒、各産物の市場価値をコントロールするモールドのついた6枚の市場ボードなど、豪華なコンポーネントにも圧倒される。
かなり真面目な経済ゲームだが、産物の市場価値をコントロールする市場ボードや、6角形のタイルをつなぎ合わせることで生産場を拡大して生産効率を上げる仕組み、さらに生産場のオートメーション化でさらなる生産効率のアップなど、随所に斬新な発想が盛り込まれている。
国家の富とは何か、経済の原則を改めて実感できる秀作ボードゲームだ。
尚、ゲームのルールとは直接関係ないが、フレーバーの部分で設定上参加している6つの国を紹介する。
・ボルシェビア(Bolshevia) 元首:ウラジミール・レオニドヴィッチ (東欧風社会主義国)
・州連邦(Federal Provinces) 元首:ラッセル・ライダー (西欧風資本主義国)
・ブハラット(Bharat) 元首:アナント・ナヤン (アフリカ風発展途上国)
・アラザーク(Arrazzaq) 元首:クハリッド・イビン・アル・ネジド (アラブ風宗教国)
・ショウワ共和国(Showa Republic) 元首:ミチ・ヨシヒト (日本風帝国主義国)
・アングリカ(Anglica) 元首:アレクサンドリナ・ハノーヴァー (南米風資本主義国)
以上ではあるが、どの国でプレイしても有利不利は全くないので、あくまでもフレーバーとしてとらえて欲しい。
商品名:国富論(Wealth of Nations!)
価格:¥7,000+税
発売元:Tablestar Games / ホビージャパン
プレイ人数:3~6人用 プレイ時間:約120分
テーマ:経済 ゲームデザイナー:ニコ・キャロル