こんにちは。クイーンズブレイド企画担当、土産物屋ハンスです。
突然私事で恐縮ですが、先日懐かしの国民的有名RPG3作目をひさびさプレイしてみたくなりまして、ファミコンを引っ張り出しました。せっかくなので、キャラクター名をクイーンズブレイドで統一してみることにしました。
主人公はレイナ、戦士はリスティ、あれ…?
戦士はリスティでもエキドナでもいくらでもネタはあるのですが、僧侶や魔法使いなどパーティーに欠かせぬメンバー達がクイーンズブレイドの世界にはいないのです。
なんてこった!(プレイ前に気づけよ)
結果、主人公レイナ、戦士リスティ、商人カトレア、格闘家メナスという偏ったパーティーになりましたが、塔の盗賊退治に向かったまま帰ってきません。
というわけで(?)第7シリーズではめでたく魔法使いと僧侶が登場です。あとは盗賊系がいればダンジョンズ&ドラゴンズでもクイーンズブレイド・パーティーが結成可能です。
今回はその魔法使いである「炎の使い手ニクス」の紹介です。
クイーンズブレイドの元となっているアメリカのゲーム「Lost Worlds」ではすでに数多くの魔法使いキャラクターが登場しています。「Lost Worlds」では魔法はカードで表現されており、それは本の付録としてランダムソートされています。魔法使いを使用したいプレイヤーは事前にそのカードを集めてプレイするという仕様になっているわけです。
クイーンズブレイドの魔法使いをこのカードコレクション仕様にするのは諸々の理由で現実的ではありませんでしたので、これまで魔法使いキャラクターを登場させることに二の足を踏んでいましたが、ゲーム製作元であるフライングバッファロー社の協力のもと、遂に実現することができました。
「Lost Worlds」シリーズ初の、カードを使わない魔法使いの新規データを作ってもらったのです。その栄えある第1号キャラクターがニクスです。
カードを使うメリットとして様々な魔法を選んで使用できる楽しさがあるのですが、ニクスはカードを使用せず本のページだけで魔法を表現する事になりますので、残念ながらその多様性は再現できません。その代わりカードを集めるという煩わしさが不要になり、強力な魔法を手軽に使用できるようになりました。それに最適なキャラ設定として、ニクスは限定された魔法系統(炎)の専門家という事になりました。
魔法と代償
ニクスの魔法の攻撃力はこれまでのキャラクターを遥かに凌駕します。
魔法は強力な力ですが、当然代償を伴います。
ゲームシステム的には魔法を失敗した時に自らダメージを受けるということで、そのバランスが表現されています。
キャラクター設定としては、強力な力を得た平凡な娘が、その代償として力の源となる者に支配されるという図式にしました。ニクスの力の源はその杖、フニクラです。フニクラはニクスが魔法を失敗した時は当然のこと、優勢に攻撃している時でも気まぐれにニクスを痛めつけます。ましてや杖を落としてしまうなどという粗相をおかしてしまったらもう大変です。拾うときに痛い目にあわされるのは間違いありません。
両者の関係は微妙なバランスで成り立っています。フニクラは普段は横暴ですが、ニクスが求める強大な力を与えてくれますし、時には優しく頬を撫でながら甘い飲み物を与えてくれたりします。
私はフニクラみたいな男と友達になりたくはありませんが、ちょっと憧れ……てはいないですよ!
ええ、そりゃあ、もう。
痛々しいキャラ
ニクスは復讐心に燃える、不幸なキャラクターで、アメリカンコミックの超人たちがそのイメージの源泉となっています。
アメコミの超人誕生のパターンは、平凡な人間が不幸な事件で超常能力を得るというものです。その力を持つことで新たに産まれた苦しみを抱きながら、超人として生きていくのです。そしてなぜか珍妙なコスチュームをおもむろに自作して着込むのがお約束です。
ニクスの場合のこの辺の過程は対戦ゲームでの表現は限界がありますので、皆様のイマジネーション頼りです。(皆様のご要望が多ければ、美闘士列伝シリーズで描けるかもしれません)
ニクスは”痛い”キャラクターでもあります。
例えれば2学期デビューの番長といったところでしょうか。
夏休みに何があったのか知りませんが、いじめられっ子だった彼女は怖い組織の後ろ盾を得ることができました。そして自分が強くなった気がしたので、番長デビューしたのです。
もちろんいじめっ子達への復讐だけが動機ではなく、同じ境遇の弱い人たちを守ろうという優しい気持ちもあります。
しかし番長ルックは着慣れないし、本職の不良と相対すれば、膝はガクガク、口調は呂律が回らなくなります。しかし後ろ盾が強力なのは間違いありませんので、精一杯虚勢を張っています。
ニクスはだいたいこんな感じのキャラです。
結構形にするのが難しいキャラクターですので、デザイン作業は難航するだろうなぁ、と思っていたのですが、キャラクターデザインの黒木雅弘氏は見事なニクスを仕上げていただきました。
(ちなみに黒木氏の描き下ろしイラストを、今、これだけまとめて見ることができる本も他に無いと思いますので、黒木ファンの方もご期待ください。)
イラスト製作およびゲームシステム製作について、かなり製作に時間がかかったキャラクターブックとなりましたが、
皆様に気に入っていただければこれ以上の喜びはありません。
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