さて、今週は『ダコタ』と『レース・フォー・ザ・ギャラクシー:嵐の予兆』。来週はスモールワールド拡張セット『恐れることなかれ』+初回特典『ネクロマンサーの島(Necromancer Island)』が出荷になります。
もう、首が回らないくらいの入荷ラッシュ。
これからエッセン新作とかも入ってくるので色々見逃せないのと同時に手が回りません(泣)。
しかし、埋もれるには惜しいので今回は今週出荷のこのふたつを紹介します(店頭には今週末に並ぶかな?)。
ホラーものしか出していない、トワイライト・クリエイションズの最新作、
ゾンビ・サバイバルとフォーエバー・ヤングです。
テーマがホラーばかりですが、クニツィアデザインのゲームとかも結構出していて、実は結構まじめにゲームを作っている会社です。
ですが、出すもの出すものゾンビかクトゥルフかヴァンパイアか墓泥棒テーマ。
そのためか、ホラーモノが好きな人しか評価しないので、いまいち話題にも上がってない気がします。
確かに原始人になって氷河期の原野で狩猟採集するほうが、核戦争後のゾンビだらけの荒野を廃品回収するより一般受けするのかもしれませんが、もったいないと思いませんかね?
フォーエバー・ヤング
今映画『トワイライト』シリーズなんかで流行のヴァンパイアもの。
ヴァンパイアとその配下からなる『一族』が勢力争いをするというものです。
6×6のマスで区切られた盤上にタイルを配置し、それぞれ移動ルールの異なる人間のコマ(『昼』フェイズに使用できる)とヴァンパイアコマ(『夜』フェイズに使用できる)を移動させて、裏返しになっているタイルを獲得していくゲームです。
人間コマは移動に制限がありますが、維持に関しては何も必要ではなく、ヴァンパイアコマは移動能力が高いのですが、血の渇きを癒さないとダメなあたりはうまいことフレーバーをルールに落としこんでいます。
こういったところはアメゲー好きにははたまらん。
裏返しのタイルがヴァンパイアだったり、人間だったりしたら戦闘が発生します。
戦闘はサイコロを振って、そのタイルの置かれていたマスの数字(1-6とか3-3とかの座標ね)の数字を強さに応じた個数出せれば勝ち。例えば1-3にいるヴァンパイアの長は、サイコロをふって1か3の目で3個出さなければ倒せないなわけです。
必然(1-1)から(6-6)のゾロ目ラインは重要拠点になります。
ヴァンパイアタイルや人間タイルは、倒し損ねると相手に新たなコマを補充させることになってしまいます。
重要なのは2、3、3、4、4、と数字の書かれたコマ。この回数が数字の書かれたチットを消費してアクションを行うのですが、どこでどの数字のコマを使うか考えなくてはなりません。
この数字は戦闘などの際にふるダイスの数として使用したり、ターンの最後にゲームボード上に置くタイルの数(多いと当然「隠れ家」などのタイルもゲームボード上に置かされる可能性が高くなる)を示しています。
しかもこの数字タイルは5枚しかないので、下手を打つと敵はタイルを置かないのに、自分はどんどんタイルを置くはめになるかもしれません。もちろんタイルを多く置いたほうが不利。
また、「日蝕」などのイベントカードが各プレイヤー10種類ずつあり(内容は共通/手札3枚でターンはじめに3枚まで補充。1ターン1枚まで)、うまく使うことで状況が覆せるかもしれません。
こうやって、ヴァンパイアの長が殺されるか、人間の長が殺されるか、住処が見つかったか、どれかの条件が2つ満たされたらそのプレイヤーはゲームから脱落します。
最後まで生き残ることができたら勝利します。
正直地味ですが、ヴァンパイアものっぽいフレーバーはちゃんと入っている作品です。
もちろん、トワイライトシリーズのファンには色々妄想できて楽しいのではないかと。
フォーエバー・ヤング(Forever Young:A Vampire Game)
プレイ人数:2-6人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:45-90分
ゲームデザイン:ケリー・ブライテンシュタイン
発売:Twilight Creation Inc.
価格:4,000円+税
ゾンビ・サバイバル
ゾンビがあふれた世界でのサバイバルゲーム。
同社のゾンビゲドンにも通じますが、ソロプレイのRPGっぽいつくりのゲームです。
まず、ゾンビが攻撃してくる前の段階で、自宅に色々な備品を備蓄すべく、各プレイヤーで限りあるアイテムを1個ずつドラフトをします。
基本的には、保存食糧5、生鮮食料5、水5(水道は今のところ動いてますが)、医療セット5、材木5(家の侵入口をふさぐためにあります)しか持っていません。
品物には数に限りがあるほか、家のスペースには限りがあるので、うまく家の中に詰め込むものを決めて取っていかなくてはなりません。上家のプレイヤーにほしいものを先にとられるかもしれませんので、第2、第3希望とそのアイテムが無い場合の対処方法は考えておいたほうがよいでしょう。
まず、家に立てこもる人は忘れずに確保しなくてはなりません。人間が多ければ多いほど、アクション回数は増えます(ただし食事がないと大変なことに)。そもそも家の中に人がいなくなったらあなたの負けです。ライフルや鉈などの武器は自衛のために必要です。停電があったら、冷蔵庫の食糧も傷んでしまいますので自家発電装置もあったほうがいいでしょう。水は5つでは足りないかもしれません。街に物資をあさりに行くのに、車も欲しいところです。そうそう、燃料は忘れちゃダメ。これは火炎瓶にもなります。
……と、やっていたらあっという間に家はいっぱいに。
実生活で家にゲームやら本やらが納まらなくなってきたことに困っていても、ゲームではできるだけみっちり詰め込んでおきましょう。
ドラフトが終わったら、ゾンビとの最終戦争が始まります。
毎ラウンドゾンビは少しずつあなたの家に集まってきます。
そしてさらにイベントカードが様々な難問をプレイヤーに突きつけます。
火事! 停電! 水質汚染!
なおかつ物資がイベントに書かれている数×人数分減ります。
次に、家の中の人間の数が、行えるアクション数です。
ゾンビを攻撃したり、バリケードを作ったりできます。
しかし、ゾンビが毎ラウンド4体増えるのに対し、人手が足りることはありません!
戦闘はダイスをふたの中にふって、なかのゾンビの絵の上に乗ったダイスの目の合計が6以上だと倒せる(頭の上に乗れば目に関係なく倒せる)という、楽しいつくり(笑)。
ちなみに左から、ヘッドショット、アタリ、ハズレ。
人は生きているだけで食事を取りますし病気にもなります。ゾンビのとの戦闘で怪我もするかもしれません。
物資が足りないようであれば、車で街まで出かけて物資をあさってくるしかありません。
ただし、街での物資探しにはリスクも伴います。当然街にもゾンビがいるからです……
そして、ここでアクションが残っていたら、他の人の足を引っ張るためにゾンビを送り込むことができます。
他の人が襲われることは自分の延命につながりますのでどんどん送り込みましょう。
こうして、最後まで生き延びた人が勝者となります。
イベントカードが20枚しかないのですが、無くなった後のことはルールには書いていません。
おそらく、そこまで誰も生き延びれないから。
もし生き延びたら、イベントデッキをシャッフルしなおして再び昼にするのもよいかもしれません。
なお、ゾンビ自体は核戦争の恐怖が生んだファンタジーなので、このゲームをすることでアメリカ人の核戦争観を垣間見ることができた気分。停電が起きるまで電気が止まらないとか、水が水道から出てくるとか、ある意味ファンタジー。
なお友人のアメリカ人いわく、『アメリカでは今ゾンビは旬』とのことなので今はやりのゲームといえば流行のゲーム。
見た目がちょっとナニだったり、テーマがナニですが、食わず嫌いをせずにお試しあれ。
ゾンビ・サバイバル(Zombie Survival)
プレイ人数:1-4人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:90分
ゲームデザイン:トッド・ブライテンシュタイン
発売:Twilight Creation Inc.
価格:5,000円+税
特に理屈はさておき、どちらもフレーバーとかシチュエーションが立っているアメリカゲームが好きな方にはオススメです。
教育にいいとか、洗練されたゲーム性とか、そっち方面では決して無いのですが、たまには頭を空っぽにしてバカゲーするのもいいものですよ!