ちょっと流行っている(かもしれない)流れとして、名作のコンパクト化の流れがありまして……カードでプロット(計画)して列車強盗をするもほかのプレイヤーの行動で計画がずれていく、もしくは読みが当たってずばりプロットが刺さるのが楽しい『コルト・エクスプレス』の「カードを伏せてプロットし、順番にオープンして解決する」という根幹部分を煮詰めたようなコンパクトゲームが、今回紹介いたします
名前の通り超特急の短時間ゲーム。
拡張でも簡易版でもなく、システムのコアの部分を別な形にしたゲームです。
ゲーム自体は前作で列車強盗をした盗賊たちが、たまたま乗り合わせた別の列車をで逃げる途中に自分だけは助かろうと撃ち合いをするというもの。
内容的には途中脱落有のバトルロイヤル……脱落はプレイヤーコマが列車から転落すると脱落。
今回の舞台となるのはこの列車……機関車と客車がプレイ人数より2枚多い編成で並んでいます。
ゲームシステムのキモのアクションカードは4種類で、そのうち3枚を重ねて行動を計画します。
アクションカードの内容は……
《昇り降り》!
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超特急になっても屋根に昇ったり、屋根から降りたりするのは健在。
《前に移動》!
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今回は屋根の上か車内かは関係なく、1車両分移動。
この時向きも重要……列車の外に移動した場合、転落・サヨナラ! 脱落!
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《銃を撃つ》!
今回はこれがメインだ!!
これも向きが重要で、撃たれた場合は1車両分吹っ飛び、倒れる(向きはそのまま)。
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撃たれてペナルティはないけど、これで列車の外に吹き飛んだ場合はサヨナラ!
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《起き上がる》
……こいつがやっかい。
「倒れた」ならず者は、次のアクションカードの実際の内容は無視して、それを《起き上がる》アクションとして使用します。
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そのため、想定していなかった事態が発生し、(自分も敵も)思わぬ展開が待ち受けているのです!!
そして毎ラウンドの終了時、最後尾の列車は切り離され、乗ってた盗賊はゲームから脱落します……
そして今切り離された車両(の裏には乗客の持ち金などの金額が記されている)を、この時点で機関車から最も遠くにいる盗賊がいただきます。
最後尾車両に乗っていなければいいので、後ろから2番目の車両ポジションは悪くないです……
こうやって最後の客車がなくなるまで撃ち合い1人だけ生き残るか、機関車だけが残った時点で生き残った盗賊のうち持ち金が一番多い盗賊が勝者となります。
もとのゲームの根幹部分は生かしつつ、素早くプレイできてかつ計画が狂った場合には(自分もほかのプレイヤーのも)盗賊が何をしでかすかわからない予想外の展開が楽しいゲーム。
しかも基本のカードだけではなく、ミニ拡張として《反射行動》、《馬で移動》がさらに展開に深みを持たせます。
また、初回生産分にはエラーカードが含まれておりますが、添付の差し替えカードに追加の拡張……ちょっとどこかで見たような時速100マイルで時間の壁を突破するよう……見える詫び拡張の《タイムトラベル・カー》もついています。
準備もプレイも短時間で、ルールも簡単ですぐ覚えることができ、何より最大7人まで遊べるパーティーゲームとしてかなりオススメです。
コルト・スーパー・エクスプレス
プレイ人数:3-7人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:15分
製作:Ludonaute
デザイン:セドリック・ルフェーブル、クリストファー・ランブール
価格:2,000円+税
『コルト・エクスプレス』を持っている人は立体の列車を使って遊ぶのも一興。