一日でいいから、あたしより長生きして…。『フォールアウト:シェルター ボードゲーム』


気が付くと2020年も半分が過ぎていまして、その間まったく新作の紹介をしておりませんでした……
なにしろ今年のまだ発表になっていない新作が山ほどあり(数えた:30作以上ある……)、それらも自宅にこもってテレワークということでなかな紹介ブログまで至れませんでした。
海外の版元もテレワーク体制がほとんどだったのですが連絡がつきにくいことつきにくいこと……自宅引きこもりも製作環境としてはいろいろ大変なのです……

というわけで久しぶりにご紹介いたしますのは、先日アプリ版も稼働し始めた同名ゲームのボードゲーム化、
フォールアウト:シェルター ボードゲーム

です。

核戦争で荒廃した世界を舞台に、ゲームの中でも屋内生活ですよ。


さて。

ゲーム自体はVaultと呼ばれる核シェルターの監督官が死亡し、新たな監督官候補として、選挙に勝つために一番住人たちの幸福度(ハピネス)を充足させることを競うというもの。
シェルターは1階部分が共通フロアで、エレベーターで各プレイヤー担当の階層につながっています。

放射能に満ちた外の世界《ウェイストランド》と外界と隔てている《Vaultの扉》とそこに続く《Vaultの入り口ホール》

簡易医療設備のある《エレベーター》……

奥に行くと「水」が確保できる《水処理施設》、「食料」が確保できる《食堂》、「エネルギー」が確保できる《電源室》があります。

……の6つの部屋(外も便宜上部屋としておきます)があります。

各プレイヤーのフロアはまだエレベーターだけです。

ゲームは「ワーカープレイスメント」、つまり「労働者を労働する現場に置く」ことで何らかのアクションを実行していくゲームです。

基本的にはまるいスペースにワーカーを置くと、その上にあるアイコンのリソースがもらえます。

例えば《食堂》に自分のワーカーを置くと上にあるアイコンの数だけ「食料」が獲得できます。

リソースはこのボードで記録します。

それぞれ最大6個までしか持てませんので注意!

《Vaultの入り口ホール》の左側は、新たなワーカーを獲得できます(次から労働力が増える!)。

ただし、そのためにはワーカーを置くスペースの上に記載されているコスト……この場合は食料を払わなくてはなりません(ウェイストランドから来た人ってことかなこれ……)。

※なお常に3枚のアイテムが並んでいます。

《ウェイストランド》に行けば、アイテムを拾ってくることができますが、こちらは「水」が必要です。

ゲームでは、自分の手番になったら、ワーカーを空いているいずれか1か所の働く場所に置き、時計回り順に次の手番の人がワーカーを置いて……というのを繰り返していきます。
つまり、ほしいリソースは先に置いてしまわないと他のひとに取られてしまうわけです。
なお、最初にいる住人=ワーカーは2人だけですので、なるべく人は増やしていったほうがよいでしょう。
アクション数はすなわちリソース数であり、正義です。

「どうしても手番的にきつい!」という場合には、《Vaultの扉》の左側にワーカーを置くことで……
次のスタートプレイヤーになれます。

なおもう一つのアイコン、上向きの矢印は「次のラウンドはL=Luck/運に習熟する」ということ。

※SPECIALは……原作でおなじみのそれぞれの特性のこと。S=Strength/筋力、P=Perception/知覚などなどです。

毎ラウンドの終了時に各プレイヤーはワーカーを回収するのですが、習熟したらこのSPECIALの対応する場所にワーカーを置きます。

もらえるエネルギーが2倍に! ラッキー!

習熟したワーカーを対応した場所に置いた場合、(1回だけですが)そのスペースでもらえる報酬が倍になります。

あと重要なのは自分のフロアに新たな部屋を建設させて、充実させていくこと。
なぜなら、「ハピネス」の主な獲得は部屋の増設でVault内を充実させるると得られるからです!

部屋の増設は自分のフロアの《エレベーター》にワーカーを置き……

建設コストを支払って自分のフロアに設置し、ハピネスを2得ます。

この建設できる部屋は常に3枚が並んでいてそのいずれかを建設できます。

新たな部屋は、例えば今置いた《原子炉》ならば大量の「エネルギー」(2か3!)を得られたり……

《居住区》であれば新たな住人が獲得できたり……
(スペースが2つあるので、ここには2人いっぺんに置く必要があります。1人では新たな住人は殖えないのです……)

《アスレチック・ルーム》では「〈A〉を訓練して何らかのリソースを1つ得る」か「食料を3はらってハピネスを1得る」ことができます。

運動でハピネス! 住人が健康になるからね!

このように強力な部屋ですが、自分だけではなくほかのプレイヤーが使うことも可能です。
ただし、そうした場合はその部屋が持ち主は報酬として何らかのリソースを1つ得ることになってしまいます

さて、Vaultの管理はこのような部屋の管理だけではありません。
なぜなら、毎ラウンド外部から侵入者がやってくるかもしれないからです……

2ラウンド目以降は、各フロアごとにダイスを2個ふって、対応する出目の部屋に脅威が出現し、その場所を使用不能にしてしまいます。

脅威はワーカーを送り込むことで排除できるかもしれないのですが、そのためには必要な出目を出す必要があります。

《デスクロー》はワーカー2体がかりでダイス2個で9以上……でも倒せるとハピネス2個もらえるし、Eに習熟しているとさらに倍もらえます!

ダイス目の悪いあなたは、《ウェイストランド》で使える武装を拾っておくと良いでしょう。

他にも色々助けてくれるアイテムや、ペットがいます。

ただし、1ラウンドに1回しか使えませんので注意!

なお、排除に失敗した場合はそのワーカーは「負傷」してしまい、「治療」の場所に置くことしかできなくなりますので要注意。

横に倒して負傷していることを表示します。

負傷したワーカーは、「治療」できる場所に置いたら、次のラウンドからまた使えるようになります。

この部屋などは、治療もできるしEに習熟できるという追加の効果もある!

……このように、住人の生活を充実させ、Vault内を整備していき、いずれかのプレイヤーがフロアに6部屋建設するか、脅威カードが無くなったラウンドでゲーム終了となり,
最もハピネスを獲得したプレイヤーが新たなVault管理人さん監督官です!

ゲームはオーソドックスなワーカープレイスメントのがっちりした部分と、ダイスで現れる脅威とその排除の運要素、そして原作をフィーチャーしたSPECIALのルールが相まって、プレイしやすい初心者向けの中量級のボードゲームとなっています。
特に難しい要素や複雑な要素はありませんので、ボードゲーム慣れしていないウェイストランド民には中量級ボードゲーム入門としてお勧めできますし、ボードゲームに慣れている人にはシンプルなワーカープレイスメントのボードゲームとしてオススメいたします。

フォールアウト:シェルター ボードゲーム
プレイ人数:2-4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:60-90分
製作:Fantasy Flight Games
デザイン:アンドリュー・フィッシャー
価格:4,800円+税