最近すっかりキックスターター発のゲームが多くなってきましたが、今回紹介いたします
ペトリコール
もキックスターター発のゲーム。
だいたいコンポーネントが豪華な傾向があると思いますがこちらもかなりぎっしりコンポーネント。
タイトルの「ペトリコール」とは雨が降った後のあの独特のにおいのコト。
プレイヤーは雲(もしくは自然)となり、地上に雨をもたらし、作物を育てることが目的。
そして作物の育成に貢献していればいるほど点数がもらえるのだ。
さて。
ゲーム自体はカードプレイと投票で進行していき、カードプレイによるアクションや投票により、雲に水をためたり、雲を移動させたり、雲を合体させたり、雨を降らしたりすることで畑タイルに水を置いていきます。
アクションフェイズには手札をプレイすることで、そのカードの【アクション】+【投票】を行います。
アクションは4つ。
「霜」アクションは雲の無いタイルの上に自分の水滴を入れた雲を置きます。
「日光」アクションはすでに盤面にある自分の水滴がある雲に水滴を2つ追加します。
「雨」アクションはすでに盤面にある自分の水滴がある雲2個までから任意の水滴個を選んでそのタイルに置きます。
「風」アクションはすでに盤面にある自分の水滴がある雲を隣のタイルに移動します。
↓
(ただの雲ではなく)雷雲は水滴が8個以上になると決壊して雨となり、水滴を全てそのタイルに移し、消滅します(ストックに戻る)。
↓
豪雨。
アクションは特定のカードが無くとも、任意のカード2枚でワイルドにもなりますので、この手札管理は大事。
これらのアクションを駆使して天候を変え、地上に雨を降らしていくのですが、カードアクションのあとに投票することで、長期的な天候をも左右します。
同時に行う投票は、「今行ったアクションもしくはそのカードのアイコンの下のアクションに1票を投じる」か「収穫ダイスを1減らして1勝利点を得る」のいずれかを行います。
「霜」のカードは霜か晴に投票できる(なお、一番下のアイコンの意味は「収穫ダイスを減らす」)。
こんな感じ投票は記録され、どの天気が一番優勢だったかを決める。
なお、収穫ダイスは全部収穫面になったら収穫発生。
収穫はいわゆる点数決算なんですが、決算タイミングがランダムに決まるの珍しくないですか?
(なお、ゲーム最終ラウンドでは必ず収穫が発生する。)
同じ手番にアクションを追加で行うこともできるけど、2回目はカード2枚と必要なカードが増えていきます。(※ルール誤読部分修正しました)
じゃぁ手札は取っておいて同じカードをたくさん揃えて……とやりたいところですが、アクションフェイズの最後に手札は強制的に4枚まで減らされるので使わないで取って置けるカードは限られるのだ。
全員がパスしたら天候フェイズとなり、投票された天候のアクションを行います。
天候フェイズには「霜」「日光」「雨」「風」の順に、どの天候に投票が多かったのかを見て、上位2つの天候が全体に影響を及ぼします。
「霜」ならすべての雲が雷雲に。
水滴の数は関係なし……「雷雲」になるのが重要。
「日光」ならプレイヤーが順に雲を1つ選んで自分の水滴を倍にします。
全体に晴れて水蒸気がどんどん上っていく……このとき決壊する可能性もあり。
「雨」ならすべての雷雲の水滴をそのタイルの上に移して雲を消します。
雷雲であることが大事なのだ。
「風」ならプレイヤーが順番にタイルの上の任意の水滴1つを隣のタイルに移動させます。
微妙なマジョリティ争いにも、作物育成を邪魔するにも使える。
加えて、発動した天候のそれぞれでの上位が点数を獲得します。
霜は青、晴は赤だったので……
点数獲得。最初は低いけど後半はどんどん高くなる(4ラウンドのショートゲームで2→5→9→14→21→27点)。
この時点でお気づきでしょうが、他のプレイヤーの思惑と手札の状態を読みつつ、盤面の水滴と投票という、かなり複雑かつ熾烈なマジョリティ争いが展開されることとなります……ルールは簡単なのにな!
ここで収穫ダイスが全部収穫の目になっていれば収穫フェイズになって決算。
作物によって必要な水の量は異なり、条件を達成している作物の置かれている水滴の多いプレイヤー順に点数を獲得していきます(水滴は各プレイヤーに戻します)。
ここは水滴2個で成長するので、得点できる。
赤4点、青3点、緑2点だ。
そして整理フェイズで手札を規定枚数(4人なら6枚まで)補充してラウンドおしまい。
これを6ラウンド(ショートゲームなら4ラウンド)行って勝敗を決めます。
……見た目に反して、駆け引きが濃い。
カードプレイで直接的に雲に水滴を送り、移動させ、降らせる。
投票で全体の雲・水滴に影響を与えることで盤面を有利にする。
投票の時に決算タイミングのほうを捜査することで自分に有利なタイミングにする……
ルールはそんなに難しくはないのに(だいたい「どうなるか」の処理は自動で決まる)何をすれば勝てるのか悩むタイプ。
作物の並びによっても必要な水滴の数や配置は変わってきますので、実質状況は毎ゲーム変わる上に、カードドラフトのルールが用意されていたり、同梱のフラワー拡張セットでは「花」や「プレイヤーパワー」が加わり、さらに状況に変化を与えます。
またプレイ人数もソロプレイでも遊べるし、拡張同梱なので最初から5人で遊べるのもプレイバリューを高めるポイント。
じっくり遊べるマジョリティ争いのゲームのゲームとして、オススメメいたします。
ペトリコール(フラワー拡張入り)
プレイ人数:1-5人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:人数×20分
製作:Mighty Boards
デザイン:デヴィッド・チルコップ
価格:8,500円+税
作者はマルタ人で……はて、マルタ人デザイナー……なんか覚えが……って『そして二人は手を取り合って。』のデザイナーだ!
グラスビーズ好きだなこの人。