ことが起きた時、事態が深刻化する前に初動対応するのは大事なことで、対応が遅くなったりした場合は解決に多くのコストがかかってしまうもの。
も、パンデミックと世界観を同じくし、感染拡大の前に必要物資を運び込み初動で対応する「ラピッドレスポンスチーム」がテーマとなっています。
しかし、世界観は同じですがゲームは全くの別物。
中央のボードは、チームメンバーが乗り、世界各国へと移動しつつ機内で物資の準備をする巨大飛行機の機内となります。
6発大型輸送機でこのフォルム……おそらく世界最大の輸送機、An-225「ムリーヤ」がモデル。公称積載量250t、最大離陸重量600tの化物だ。
外周はパンデミックでおなじみの都市。
ここに今まさに感染爆発がおきそうな都市がランダムに置かれます……初級では2枚です。
そのほかに、(初級では)3枚の都市が裏向きで準備されています。
ゲームの目的は、この外周に置かれた都市に緊急物資を届けること。
これらを機内で準備をして貨物室に用意し、急を要している都市に赴き、降ろすのを繰り返してカードが全部なくなったらゲーム終了、勝利となります。
手番になったらダイスをふって、出目を使ってアクションを実行します。
使わなかったダイスはターン中なら2回までふりなおしできます。
とりあえずこんな出目。
部屋に対応したアクションはその部屋でないと実行できないのですが、その部屋に行くために機内を移動するときは、任意のダイスを支払うことでOK。
今どの都市でも必要ではない水を使おう。
一番実行したいのは、やはり物資の準備。
対応する部屋に行って、ふったダイスの対応する目のものを割り振ります。
ただし、枠によってはいっぺんに複数個のダイスを置く必要があります。
2個では置けないので……
枠が埋まったら、製造宣言してやると物資を貨物室に置けます。
もちろんダイスが多ければ多いほど数は多くなります。
ただし、ここに問題が。
物資の製造に使ったダイスをすべてふって、〇で囲まれたアイコンが出たら、その分だけ廃棄物トラックが進みます。
3個〇アイコンだったので……
この廃棄物トラックが最後まで到達すると敗北。
なので、この再生ルームで物資の時と同じくダイスを置いて浄化します。
ただし、ここは対応する目ではなく、全部違う目を置くようにします。
廃棄物処理をこまめにしないと危ない!
あと、都市に向かうためにはどこにいてもいいので飛行機の目を使うと1マス移動します。
都市について貨物室に必要な荷物があったら、貨物室で飛行機の目を使うことで貨物を降ろせます。
電気2、応急1、食料1……降ろせる!
……とまぁ、こんな感じの、それほど難しくない作業を行うのですが問題は時間。
時間トークンと砂時計(約2分)が指令室に置かれていますが……
砂時計が尽きたらこの時間トークンが1つ、箱に戻されます。
そして新たな感染都市が追加されます。
戻せない場合は敗北。
つまり……全員で8分しか時間がないってことです!
ただし、都市に物資を送り届けた場合は、時間トークンをストックから1つ追加できます。
5枚中4枚が追加の時間トークンを与えるので……実質初級で16分ちょいしか余裕がありません!
この時間制限のせいで、とにかく忙しく、また各プレイヤー間の連携が取れないとろくな結果になりません。
しかも、リアルタイムであるがゆえプレイヤーの判断力は低下し、運の要素があるがゆえ長期的な計画は目の前の些末なトラブル(ダイス目)に翻弄される始末。
このように『パンデミック』とは全く別物のゲームではありますが、ターンプレイヤー以外も必要な物資は何なのか、次の手番では何をすべきか、という判断の共有と協力をしないと勝てそうにありません。
また、時間と運の要素のおかげで、とてもじゃないけど(毎度協力ゲームで出る)奉行問題は出にくいと思われます。
短時間で終わるので再挑戦もしやすく、挑戦しがいのある協力型のゲームとしてお勧めいたします。
パンデミック:迅速対応(ラピッドレスポンス)
プレイ人数:2-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:20分
製作:Z-MAN Games
デザイン:ケーン・クレンコ
価格:4,500円+税