怖いものは、やっつけるか友達になるしかないんだ『富士-脱出-』

今回は、今注目のデザイナーの一人、ヴォルフガング・ヴァルシュがデザインした協力型のダイスゲーム、

富士-脱出-

を紹介します。

ゲームは富士山を調査に来た調査チームが、富士山のふもとで火山噴火に遭遇し、安全な集落まで逃げる……というもの。

調査チームの4人。

ウェバーソン・サンティアゴのダークな作風のイラストもあいまって、どちらかというと樹海になにかマズイものを捨てに来たように見える……

アートワークは美麗だけどちょっと不思議テイスト。

まず、安全な集落までカードで脱出経路を作ります。

こんな感じ。

この組合せは7シナリオ用意されています。

安全な集落。イラストはかっこいいんだけど時代設定とかわけわかんない。

プレイヤーの目的は、この調査隊の一員となって、噴火した富士山のふもとから誰一人溶岩に巻き込まれることなく、もしくは体力が尽きて脱落することなく、安全な集落に全員到達すること。

移動経路は毎ラウンドの最後に1枚（ないし2枚）めくれて溶岩な流れてくるので、それまでに自分のコマを移動させていくことになりますが、この未曽有の状況下では、そうそう簡単に移動できません。。

毎ラウンド、1枚ずつめくれていく経路。
2枚進むイベントもあるので要注意だ……

安全な集落。

全員がこのカード内に到達したら、脱出成功。

さて……この困難な脱出行ですが、判定にするのが、このダイス。

最初に各プレイヤーが選んだ個別の能力に従って、ふることのできるダイスの個数は決まるのですが、これらのダイスは全員同時に、衝立の裏でふります。
つまり、だれがどんな目を出しているか不明。

この状況下で、各プレイヤーは具体的なダイス目などの情報は伝達せずに、それぞれどこに移動したいか相談します。

移動したい先には、移動予定のマーカーを置くのだ。
置けるのは最大3枚先まで。

この状況を見て移動予定が決まったら、移動予定距離に従いダイスを振りなおしてやることができます。
移動距離が短いほうが降りなおせる回数が多くなり、ほかのキャラクターの移動を助けやすくなります。
他にも振りなおしは能力やアイテムでできる場合もありますが、これで各自の出目の具合を調整する感じ。

さて、ふりなおしをしたら衝立オープンで、実際に移動できたのか判定するのですが大事なのは移動予定のカード上のアイコン。

ふったダイスのうちどの色・どの目が「有効なダイス」なのかこれで決まります。
この場合は「青の1/2/3が有効ダイス」

そして自分の左右のプレイヤーの同じ有効ダイスのダイス目の合計値（移動力）と比べて、大きければ移動成功となります。

青のプレイヤー、移動成功！
差は7！
ダイス目の差が小さければ小さいほど減る体力は多いので、なるべく大きく上回りたい……難易度によって減る体力は変わります。

レベル1なら体力は減らない。

さて、この判定で重要なのは「比較する隣のプレイヤーが移動したい先の有効ダイス」ではないところ。自分の行先は左右と比べて大きくなりつつ、隣の人にとっては小さな数値になるようなダイス目を得るのが難しい！
出た目の情報がわからない状態で、行きたい場所とを各自提示しますが、その隣のプレイヤーは「いや、今現状の目では移動を邪魔しそう。」とか「どうしてもそこに移動したい？では先行しているここは私は移動せずに振りなおし回数稼いで補佐します。」とか「キミがそこに移動するのは邪魔しないと思うのだが、わたしがこっちに移動するのはそっちの出目的に大丈夫そう？」
……などというもやっとした相談を繰り広げることになります。

こちらは緑の場合。

有効なダイスは「ピンク」もしくは「色を問わず5」のダイス。

緑は失敗。