さて、欧米で多大な影響をふるった創作物としてまず挙げられるであろうこの作品は、学問や政治など様々な分野に影響を与えたものであり、もちろんゲームという分野にも多大な影響を与え続けてきました。
そして、今年はその三部作の最終巻初回刊行から60年の年……
だから発売となったのかは定かではないのですが……今回紹介いたしますのは
指輪物語
モルドールへの旅
です。
わかる人にはわかる、ロゴがかなりデザイナーのこだわりポイント。
とはいっても今回のゲームは小粒なダイスゲームとなっております。
デザインはダイスを使ったギミックが得意なミハエル・リーネックです。
コンポーネントは……
だけ
特製ダイスは印刷じゃなくてモールド入ってる。
ちょっと贅沢。
ゲームの目的は原作同様、恐るべき力を秘め、他の「指輪」を支配する力を備えた「ひとつの指輪」を鍛えた炎であり唯一破壊できる滅びの山へたどり着くこと。
しかし、敵はもと指輪の幽鬼たちを追跡者として放っており、追いつかれないようにしなければならないのです。
というか、基本ゲームでは自分と敵とで9マスある追いかけっこみたいな感じ。
各プレイヤーともこのシートを1枚ずつもらいます。
手番プレイヤーは「ダイスをふって1個以上確保して、残りをふって1個以上確保して……」を繰り返すタイプ。
ただし、複数個確保する場合はそれぞれ別な目でなければならず……
そしてナズグルが出たら必ず確保しなきゃならない。
しかも自発的にはふり直しを止められない!
出目によって解決時に……
「ひとつの指輪はひとマス進み……」
「オークは指輪を妨げ……」
「指輪の仲間はオークを妨げ……」
「ナズグルは闇を近づけ……」
ただし、進むのは黒か自分の色か中立の色(プレイヤーが4人じゃないとき)なら自分、あとはそれぞれの色に対応するプレイヤーのナズグルが進みます(迷惑)。
「ガンダルフは敵を足止めし……」
「白の木は皆を救う」
基本は、この出目のリスクを管理して、全員が追い付かれる前に、誰かが滅びの山にたどり着けば勝ちとなります(残りの人は1手番実行して、たどり着けた人の中でナズグルが進んでいない方が勝ち)。
ルールはシンプルで、お互いへの干渉は少な目なのでギスギスしちゃうことも無し。
しかもシートの裏面の上級ルールを使えば、各場所で特殊な効果が原作っぽさを演出してくれます(例えば、モリアではガンダルフが効果を発揮できないとか)。
運の要素が強いのですが、「運だけで勝てる」のと「運とリスクをマネジメント」するのは別な話。プレイ時間は短めで、ルールの説明もすぐできるので、ゲームとゲームの合間にちょっとプレイするのに向いていますし、原作ウェイトは低めなので知らなくても大丈夫。ゲーム初心者やゲーム会の合間にプレイするゲームを探している人には重宝するでしょう。
もちろん、原作を知っていれば勝手に脳内でシチュエーションを上映できる程度には原作フレーバーを生かしているので原作ファンにもオススメできます。
指輪物語:モルドールへの旅
プレイ人数:2-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:20分
製作:Sophisticated Games
デザイン:ミハエル・リーネック
価格:1,800円+税
プレイを繰り返す方は、シートをコピーして使ったり、ラミネート加工してホワイトボードマーカーで繰り返し使えるようにするといいと思うよ。
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