今回紹介するのは、ゲームマーケット直前の4月末には出荷になるゲーム4作のうち、来週火曜日にはニコ生で配信する予定の
プロウィンキア・ロマーナ
です。
残るは『ロール・フォー・ザ・ギャラクシー』と『士魂~サムライスピリット』と『チグリス・ユーフラテス』。
一応全部4月発売は守られた……!
追記;なお、『ライナークニツィアの日本庭園』はゲームと言うよりはパズル。
ゲームの舞台は紀元前1世紀のフランス南部、当時はガリア・トランサルピナ(アルプスの向こうのガリア)と呼ばれた地域。
プレイヤーはローマの植民都市(プロウィンキア・ロマーナ)の支配者となり、若くしてガリオ諸部族を統合してローマに反旗を翻したウェルキンゲトリクス率いる軍隊に荒らされ、荒廃した都市を再建することになります。
うまく立ち回って名声を高めた者が、次期プロコンスルとなるのです!
都市は6都市あって、内陸都市が2つ、沿岸都市が4つあり、建設できない建物が異なっています。
ウェルキンゲトリクスにボコられて荒廃したローマ植民都市。現在の南フランスの都市だ。
最初には《ホレウム》(倉庫)しかない。
因みに、このガリアの英雄、ウェルキンゲトリクスと言う名前の意味は「凄い戦士王」。
とんでもなくキラキラネーム。
ゲームはカードドラフト→カードプレイで1ラウンドで、これを6ラウンド繰り返すことになります。
カードは3種類。
オペース(生産)は各資源を獲得する事ができるもの。
なお資源は石材、木材、煉瓦の3種類+金。
カードプレイの時に資源は必要となりますが、木材と石材は2金で購入できます。
なお初期建物《ホレウム》(倉庫)があれば各資源は9個ずつ持てますが、破壊されたら5個ずつしか持てません。
また、最初にピックする人は、上の段のチョットいい資源が貰えます。
SPQR(元老院)はローマ本国の元老院の政治的な支援を得ることができるもの。
使う時には金が必要。
アエディフィキウム(建物)は、さまざまな効果を持つ建物のカード。
立てることで名声点を得ることができ、ほかにもさまざまな能力を持つ場合があります。
ゲームとしては、おもな点数源となるため、建物をいかに建てていくかが重要と言えます。
ちなみに、カード名はすべてラテン語。
一応入荷したものは英語ですが、ローマっぽさを演出するにはかなり有効なのかも……例えるなら、三国志モノのゲームを作るときにカード名は漢字で、テキストは漢文調に書いているようなものかな?
ゲームの進行は、まずドラフトから。
ドラフトは、ターンプレイヤーがまずどのカードの山(種類・建物、元老院、生産の3種)をドラフトするか決め、その山から表向き4枚、裏向き2枚を並べて、その後ターンプレイヤーから1枚ピックしていくもの。ピックされなかったカードは捨て札になります。
こんな感じ。
自分が取りたいものを取るべきか、下家の欲しがってるモノを(あからさまに)カットするのか……
ボードゲームの人には馴染みがあまりないかもしれませんが、TCGプレイヤーにはパックを1パックずつ剥いてカードをオープンにして、順番に1枚ずつ取っていく、ロチェスタードラフトで見知ったやり方ですな。
なお、各山は1ラウンド中には2回しか選ばれないので、どの種類の山を選ぶかも要注意。
各プレイヤーがプレイ人数に等しい回数だけカードをピックしたら、次のフェイズになります。
次のフェイズでは、資源を払って好きなだけカードをプレイすることになります。
SPQR(元老院)カードは残って効果を発揮し続けるものもあれば、捨て札にあるものもあります。
例えば《レギオ》(ローマ軍団)
が救援に駆けつけたりします。(軍事力が上がる!)
アエディフィキウム(建物)は場に残って、主な名声点(勝利点)源となり、場に出ているだけで効果を発揮し続けるものと、名声点を支払って発動することで効果を発揮するものがあります(発動は後で)。
なお、固有建物の場合は1つの都市に1枚しか建てることができません。
例えば《スタブルム》(馬小屋)
は、建てると都市の軍事力が1上がります。
《リグナートル》(製材所)
は、毎ラウンド木材を1個獲得できるようになります。
その次は、ガリア人が攻めてくるラウンドであれば戦闘が発生します。
都市の軍事力(都市の士気と防御力の合計)とガリア人の戦力(カードでランダムに内容が決まる)を比べ、負けると資源を失ったり、建物を破壊されたりします。
なお、ガリア人が来るのは6ラウンド中4ラウンド。
都市防御をきちんとできないと、ひどい目に合うのは間違いなし。
また、ランダムに配られる戦力修正チットの存在もあり、思わぬところで戦に負ける可能性もあります。
そして都市の士気と防御値を下げ(厭戦気分と施設老朽化)、ローマへ税金(1金)を払った後に、要発動能力を持つ建物の能力を発動する機会が与えられて、1ラウンド終了。
例えば《エンポリウム》(大商店)は建てると名声点2点ですが、1点払って使用すると4金を生み出します。
これを6ラウンドまで実行したら得点集計。
建設した建物の名声点や、所持している金貨による名声点(3金につき1点)の合計が最も高いプレイヤーが、勝者となります。
こんな感じで、ルール自体はシンプルな感じ。
問題は、ドラフト。
ドラフト時に自分の手番であれば、最初のピックができるので、欲しい種類の山を選びたいところですが、1ラウンドには1種類につき2回しか選ばれないので、タイミングも難しいところ。
毎ラウンド、自分の手札のカードや資源の数をかんがみつつ、どの山からカードドラフトするのかを決め、めくったカードから最適のカードをピックし、次のカードプレイでどのカードを使用して効果を享受するを考えていかなくてはなりません。
しかも点数は主に建物からもらえるので、能力だけではなく、ほかのプレイヤーが持っていたり建てている建物を考慮に入れて、カードピックをしなければなりません。
このようにシステム自体はシンプルですが、ゲームに勝つためにはこの駆け引きが重要となります。
TCGでこの形式のドラフトになれた人にはとっつきやすいといえますし、ほぼオープンの情報下でのドラフトということを全くしたことが無いプレイヤーでも、極端なカード効果が無いのでプレイしやすいといえますので、この形式のドラフトをやったことがある人にもない人にもオススメできる感じ。
ドラフト形式は、世界の七不思議のようなスタイルしか知らない人には是非やってほしいし、ロチェスタードラフト形式のドラフトが得意である、リソースや手札や下家のピックをコントロールするのが好きだ、と言う人にオススメ致します。
無論、ローマテーマが好きだ、と言う方にはこの気合の入ったカード群をぜひ眺めていただきたい感じです。
プロウィンキア・ロマーナ(Provincia Romana)
プレイ人数:2-6人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:90分+
製作:Stratelibri
デザイン:ピエルルイジ・フルームサ
価格:7,500円+税
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