忍者の世界では常識など、一切通用しないのだ『シノビ・クラン』


光りあるところに影がある……
今回紹介するのは、
シノビ・クラン
です。

毎ラウンド、プレイヤーはカードドラフトで護衛や暗殺者を集め、目標の人物を守るか殺すかこっそりと決めた後で集めた忍び等を送り込み、任務の成功報酬を得ようとします。

ゲームの基本システムは、ドラフトです。
くばられた手札から、必要なカードを1枚残して、そのほかのカードを隣に回していく、アレです。
プレイヤーは忍衆の頭目となり、毎ラウンド、ランダムに決められた3つ目標と報酬を確認したうえで、カードをドラフトしていきます。

カードのドラフトが終了したら、秘密裏に、いま場に出ている目標の、誰を殺害し、誰を護衛するかを決めます。


護衛対象はこんな感じ。
左が護衛の、右が殺害時の成功報酬。
護衛や殺害で、他のプレイヤーと一致した場合、成功報酬は山分け(切り上げ)です。
まぁ、基本殺したほうが金になる。

仕事はどの内容かは、このタイルでこっそりプロット。

各カードには戦力アイコンが描かれていて、暗殺時と護衛時とで戦力が異なるものもいます。

そして……ターンプレイヤー順に忍者を差し向けます。
あるものは護るため、あるものは死を与えるため……

自分の手番に、手札から暗殺者、護衛、玄人、暗躍者を裏向きで、望む目標に重ねていきます(パスも可能)。
護衛!

暗殺者!

玄人!

暗躍者!

イベント!

イベントは表向きに出して、解決後は捨て札になります。

武器!

武器はのちの戦闘フェイズで、暗殺者、もしくは護衛を強化するのですが、どちらを強化するつもりか、カードを出すときにわかるよう、護衛なら左、暗殺なら右に出します。


どれ……


暗殺者でも仕込むか……

全員がカードをすべてプレイするか、パスしたら戦闘が始まります。

戦闘は、まずどれか目標を選んで、その上のカードを1枚ずつ、表向きにしていきます。
玄人は、その能力を解決して捨て札。
暗殺者と護衛は、それぞれ対応する側に、列を作るように置かれます。
暗躍者は、目標の下に置きます。

こんな感じに並びます。

全てカードを表向きにしたら、目標に近いカードから忍者のカードと武器のテキストを解決していきます。
その後、護衛アイコン合計数と暗殺アイコン合計数比べ、暗殺の成否を判定します。

例えば、こいつの能力で……


対応する列の護衛を取り除く(本人も戦力が無いのでよけておいた)

こうやって残った忍者と武器の戦闘力を比べる!

護衛成功! 報酬は山分けだ! ゴウランガ!

これを3ラウンド行い、もっとも報酬の多い頭目であるプレイヤーが勝者となります。

ドラフトゲームなので、どのプレイヤーが暗殺をもくろんでいて、護衛を画策しているのかを読み、手札と他のプレイヤーの目論見を推理しつつ、目標にカードを置くときにもブラフを利かせて、または他のプレイヤーが何を狙っているのかを考えていくことになります。
戦闘の解決が(カードを)ためにためたその後でいっぺんに行われるのもドラマチックでいい感じです。
「きさま、そのようなカードを仕込んでおったか!!」的な感じで。

また、通常のドラフトではなく、ロチェスタードラフト風に、毎回人数×2枚表向きに並べたカードを順番にピックする上級モードは、時間はかかりますがかなり戦略性が高くなるでしょう。

イラストも美麗で、さまざまな忍者の能力や武器の能力が思わぬ展開を見せ、色物かと思いきや(正直色物だと思ってた)かなりしっかりしたゲームとなっております。
ニンジャヘッズな方ならもちろん、ドラフトゲームが好きな人、ブラフ大好きな人などにはかなりオススメいたします。

シノビ・クラン(Shinobi Clans)
プレイ人数:3-5忍
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:60分
製作:Posthuman Studio
デザイン:ユルゲン・マイヤー
価格:3,600円+税