『ウサギとカメ』の話を覚えているか? あれはおとぎ話ではないぞ!


今回は実験的に、発売はまだ先ですが、サンプルもあるのでIelloのおはなしゲームシリーズ第3弾、
ウサギとカメ
を紹介します。

ちなみに第1弾は『三匹のこぶた』でダイスゲーム。
第2弾は『バーバ・ヤーガ』でアクション+記憶ゲーム。
どちらもゲームとしての基本を押さえつつ、どちらかというと子供よりのチューニングでしたが……今回はちょっと違うぜ!!

さて、今回のおはなしはおなじみ、ウサギとカメ。
ウサギとカメが競争をして、リードしたウサギがすっかり油断をして昼寝を決め込んでいたら、地道に走っていたカメが勝ってしまうという、
慢心、ダメ、絶対!
というお話。

因みに日本には室町期には入ってきてたとか……意外と歴史があるな。

しかし、ゲームは大胆にもこのお話の後日譚。
いきなりオリジナルでスピンオフもの。
ウサギがカメにリベンジマッチを挑み、カメがそれを承諾した、というもの。
カメ、慢心。
しかもそれだけではなく、それを聞いたほかのおはなし系動物が、果敢にもチャレンジしてきたのです!

で、今回の走者は……

ウサギ。コンスタントに早いので、慢心さえしなければ本命。


カメ。これがマラソンならあるいは、という定速ランナー。


オオカミ。意外と速い上に、遠吠えでほかの動物を脅す。


キツネ。機を見るに敏。結構早いけど、問題は応援してくれる人が少なそうなところ。


ヒツジ。キツネなみに機会主義者で足は速いのだけど、彼の問題は給水所(小川)で休憩してしまうところ。

という、癖のある走者がそろったのです。

ではゲームはというと……プレイヤーはこれらの動物に賭けるおうえんする立場となります。特定の動物を受け持ってレースをするのではないのです。
※子供に配慮の結果、『賭け』ではありません。あくまで『おうえん』です。

まず、ランダムにコースを作ります。
とはいえ、ゲームに関係あるのは『小川』の位置だけです。
タイルは11枚なので、ゴールを含めると12マス(タイル)がコースの全長です。

ゴールした動物は、3位までが入賞です。
1位は5点、2位は3点、3位は2点となっており、プレイヤーはゲーム開始前に賭けおうえんを2票行って、点数を競うことになります。

各プレイヤーが手札として使うのがレースカードで、動物の絵柄が描かれています。
これは動物によって枚数が若干異なっており、ウサギ18枚、カメ17枚、オオカミ16枚、キツネ15枚、ヒツジ15枚となっています。


さて、ゲームの開始時にまずランダムに賭けおうえんする動物が決まってしまいます。
これは伏せておきましょう。
次に、先ほどのレースカードをシャッフルして、各プレイヤーに7枚ずつ配ります。
そして、この7枚のうち1枚を自分の賭けおうえんカードとして、強制的に決まった賭けおうえんカードと一緒にうらむきで置いておきます。

左がランダムの、右が最初の7枚の手札から選んだもの。

レースは3位まで決まったら終了で、裏返しにした賭けおうえんカードを確認し、2枚の合計点数の高いプレイヤーが勝者と言うシンプルなもの。

ゲームは各プレイヤーが手札を順番に共通の場にカードをプレイ(おうえん)して、プレイしたカードが
1)8枚になった
2)動物のどれかが4枚になった

上記の条件で動物たちを動かすことになります。

ただし、カードは1枚以上4枚までしかプレイできず、複数枚プレイする時は同じ動物しか出せず、共通の場に出ているカードが8枚を超えるようにはプレイできず、同じ動物が4枚を超えるようにもプレイできません(カードは手番最後に6枚まで補充されます)。

キツネが4枚目なので、移動開始だ!

そして大事な点は、プレイされている枚数で動物たちの移動距離が違ってくるのです。
移動はウサギ>カメ>オオカミ>キツネ>ヒツジの順で解決しますが……

ウサギは常に2マス前進。
ただし、トップ(同位含む)の時に4枚だと、またも油断して居眠りし前進しません。
教訓ってなんだ。

カメは0~3枚で1マス前進で、なんと誰もおうえんしていなくても前進するうえに、4枚だと2マス進むのです。

オオカミは1~2枚で1マス、3枚で2マス、4枚で3マスなのですが、さらに16枚中3枚だけ入っている遠吠えカードが混じってたら、次の動物の移動の時ほかの動物は前進できなくなります。
つまり、自分だけ前進できるかもしれないわけ。

キツネはプレイされてる枚数=進マス数。
ただし、全部で15枚しかないのに注意。

ヒツジはプレイされている枚数+1枚前進と、最速の可能性を持つ走者ですが、2箇所ある小川マスでは必ず止まらないといけないため、小川の前で大量にカードを出されてもうれしくないし、カード枚数は総数15枚しかありません。

そして、最初に賭けおうえんでカードが抜けているため、その動物は1枚分進みにくくなっているわけです。

因みにこうなる。

こうして全部の動物が前進したら、開始プレイヤーが左隣に移ってレース続行です。

……この時点で、本当に子供向けなのかという気がしてきますが、子供でも覚えたら遊ぶことは可能な難易度かな?
手なりでプレイしても遊べますが、勝つためにいろいろ気が付くことができると、テクニックを駆使し始めることになります。

最初にくばられた動物と7枚くばられたレースカードの動物のそれぞれの枚数から応援する動物を決めて、その後のレース展開を考え、自分の価値に絡まないほかの動物はあまり進まないようにしながら、じゃまなカードはプレイして手札を回し、ほかのプレイヤーがどの動物に賭けおうえんしているかレース展開から推理して……と考えどころは結構ある感じ。

子供や初心者向けのゲームとしては、ルールは簡単だけど勝ち方に気が付くには適度な難易度だし、むしろ初心者向けとしては答えがそろっているゲームよりは自分で答えを見つけることができる程度の難易度なのがいい感じ。
ゲームの駆け引き自体は結構な本格派となってますし、シリーズでそろえている人にはもちろん、レース・ギャンブルゲームを探している人、ちょっと歯ごたえのあるゲームを子供と遊びたいなどと言う人には結構オススメとなっております。
もちろん、各動物の能力などを無くした簡単バージョンのルールあるので、難しすぎるかな、と思う場合でも対応はばっちりですのでご安心を。

気になった人は、入荷はまだちょっと先になるはずなので、各取引先様でご予約をどうぞ。

ウサギとカメ(The Hare & the Tortoise)
プレイ人数:2-5人
対象年齢:7歳以上
プレイ時間:20分
製作:Iello
デザイン:ゲーリー・キム
価格:3,800円+税

おまけで三匹のこぶたのプロモオマケカードがついてくるッポイ。
製品版もなのかは不明。