若き王者が帰ってきたッ『タシュ=カラール:伝説の闘技場』


と、いうわけでゲームマーケット大阪も近づいておりますが……
来週2月13日の『ゲームマーケットチャンネル 第5回』でちょろっと予定とか新作紹介します。新しい情報が出せるかはギリギリまで不明ですが。

さて、今回紹介いたしますのは来週のゲームマーケットチャンネルでも見せびらかす予定の、2人対戦でも3人から4人での乱戦でも、2対2のチーム戦でも遊べる陣取り+カード能力要素のゲーム、アブストラクトゲームっぽさと、TCGっぽさを兼ね備えた、
タシュ=カラール:伝説の闘技場
です。
海外でもわりと情報が表に出ていなかったのですが、なぜだ……エッセンでも評判は悪くなかったんだが。
※写真は英語版です

デザインは『ダンジョン・ロード』『ピクトマニア』のチェコのデザイナー、ヴラーダ・フヴァチルです。

内容的には『Magic: the Gathering』などのTCGの流れをくむ陣取りゲーム……?

そもそもTCGは結構ボードゲームにも影響を与えているのですが、こちらはかなり直系な感じの影響の受け方。

プレイヤーは魔法使いとなり、召喚術を駆使して対戦する競技、『タシュ=カラール』に挑むことになります。

プレイヤーは4つの流派のいずれかの流派の使い手となり(とはいえ、南北帝国流は双子のような流派! つまり同キャラ)闘技場で召喚術を駆使して闘うことになります。
各流派のカード枚数は18枚で、若干色によって傾向は異なり、カードテキストがルールを覆すタイプのゲームですから、当然カード効果同士の相互作用をうまく利用できると大変有利になるのはTCGになれた人には想像に難くないと思います。

自分のターンには2アクション行うことができ……

1)カラライト石と呼ばれるエネルギーの元を召喚(ゲームボード上に配置)したり……

2)召喚魔法で様々な存在を呼び出すことができます(魔法学的には、正しくは召喚ではなく創造や幻術の類である/召喚したクリーチャーは自分のターンが終わると掻き消えて、カラライト石となります)。

そして、召喚したクリーチャーの能力で相手のカラライト石を破壊したり、アップグレードすることができます。

チョット画期的なのは、この召喚コストの元となるカラライト石(ゲーム中は「ユニット」)。

Magicでは手札から1ターンにつき1枚「土地」をプレイすることが可能で、その「土地」を使うことでコストを生産しますが、ゲームが進行するにつれ、だんだんとプレイされている土地の枚数は増え、高コストの強力なカードが使用できるようになります。

この時間とともにエスカレーションしていく感じが楽しい部分でもあるのですが、タシュ=カラールでも『何個のカラライト石が、どのような 配 列 で場を支配しているか』により、その強力さが変わるのです。

……そう、時間リソースだけではなく、盤面をどう展開させていくかも、是、リソース!
白い四角の場所に、左上に書いてあるランクのユニットを置き、効果を発揮させます。赤のカードはレベル2、青のカードはレベル1ばかりですな。

召喚したクリーチャーは、その配列に従ってどこに召喚され、何処のユニットに影響を及ぼす(たいてい破壊する)かが決まっています。そのため、ただ単に時間/ターン進行に基づくコスト管理だけではなく、カラライト石の個数と二次元面での配置も含めたアドバンテージを考えて、相手のカラライト石の個数と配置を崩していかなければならないのです!
この画期的な感覚は何と説明したものやら……盤面に配置する順番的なモノがあって、リソースになるものを出すかどうか悩むのに加えて、どのような道筋(配置)で置いて、どのカードの使用に生かすか布石を置く感覚?

しかも召喚するクリーチャーの最強ランクは伝説級のクリーチャーで、より多くのカラライト石と複雑な配置が求められます。

見よ! この圧倒的パゥァー!
と、思ったが英語版なのでわからんな。
タイタン(Titan)は、カードの図で言うとの白い四角の場所に召喚され、「辺で隣接するマスのすべてのユニットと、斜めに隣接する伝説級(LV3)ではないユニットをすべて破壊する。タイタンによって破壊されたユニットはあなたが破壊したユニットとして数えない」とか書いてあります……つまり、バカみたいに強いです。が、テキストに「敵のユニット」と書いていない点にも注目です。自分のユニットも壊します、こいつ。
で、四角の枠のところに伝説級カラライト石=ユニット(LV3)が残るのです。

また、召喚させたクリーチャーだけではなく、ゲームに変化を与えるもう一つの要素として、魔法の焔、ゲームではただ単に「焔」と呼ぶ技術があります。これは、手札として最初に配られる呪文のようなものですが、「相手よりどれだけディスアドバンテージがあるか」で使用の可否が決まります。
イメージ的には格闘対戦ゲームのダメージを受ければ受けるほど溜まる必殺技ゲージみたいな感じ?

丸の中の数字がどれだけ相手よりその種類のユニットが少ないのか、と言う発動条件。

上記のルールは実にシンプルで、アドバンテージ・ディスアドバンテージを読む感覚はTCGの血を色濃く引いてることが感じられるます。

なおゲームの競技は2種類あり、皇帝の掲げる「タスク」をゲーム中になるべく多く解決すると点数になる「クラシック」と、試合終了までにできるだけ多くの敵ユニットを破壊する「デスマッチ」というもの。
破壊で点数の入る方式と、タスクの達成が点数になる方式とで、微妙にプレイ感覚が異なるのも面白い感じです。

「タスク」はこんな感じ。
「端から端まで盤面で自分のユニットでつながってたら3点」とか、「敵ユニットをこのターン○○個破壊したら2点」とか、そんな感じ。
壊す、壊されるが直接点数になるデスマッチで相手と盤面をじりじり読みあうのもよし、タスクで点数を得るクラシックで、タスク達成のためにどれを達成できそうで、どうすれば相手をじゃまできるかじりじり読みあうのもよし。

ただ単にカラライト石の数だけでは有利になるわけでは無く、相手の陣形を崩しつつ焔の使用を意識し、相手に焔を使わせないようにするか使わせても無駄な状況をつくりあげ、手札をうまくマネジメントし、己の召喚にとっては最適最小限の配置を素早く組み上げ、最適な時期に最高の効果をたたき込む――これが実に快感。
盤面は正直地味ですが、カードの能力がはまるとハデだし一方的なので、実に快感。

競技場のサイズは変わらないので、人数が多くなると混沌さが増し、プレイ時間も増えてていきますので、最初に遊ぶときは基本のタスク戦で、2人で遊びたいところ(因みに人数は2人or2人チームの「対戦」と、3~4人の「乱戦」があります)。

わりと短時間で終わる2人で遊べるゲームを探している人、カードの能力の組み合わせを駆使するタイプのゲームが好きな人にはかなりお勧めできます。

タシュ=カラール:伝説の闘技場
プレイ人数:2~4人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:約30分
発売:ホビージャパン
デザイン:ヴラーダ・フヴァチル
価格:6000円+税

なお、日本語版の入荷予定は2月の最終週には発売できる予定……2月25日のニコ生でも日本語版を使って対戦する予定ですので、ご期待ください!