気が付くと10月じゃない!
ゲームマーケットの書類が来たけど、あとひと月しかない……もちろん、カタログ掲載写真は予定でしかない、という罠!
それはさておき。
今回紹介するのは
ブルーノ・フェイドゥッティの
マスカレイドです。
デザイナー名をタイトルに入れるとどうしても長くなるな!
あとマスカレードじゃなくてマスカレイドなのですようちゅうい。
さて。
まずは内容物から……
プレイヤーのキャラクターを表すカード。
13種類14枚。
イラストがきれいですが、ゲーム中は表を見る機会はあまりありません。
早見表。
波・英・日の三か国語……だが、日/波5枚、英5枚しか入ってないので、6人以上だと全員にいきわたらない。英語と合わせるにしても11人以上では全員に行き来渡らない……
と、これだけのシンプル構成。
そしてルールも実にシンプル。
ゲームの目的は、誰かが13金以上に達する、もしくは0金になった時点でゲーム終了。ゲーム終了時点で一番お金を持っているプレイヤーが勝利するという簡単なもの。
まず、お金を稼ぐために自分のキャラクターを決めましょう……
先ほどのキャラクターカードを全プレイヤーに表向きでランダムに配ります。
誰がどのキャラクターか覚えたら全員カードを裏返します。
そして、何らかのアクションを行わない限り、自分のカードですら中身を見ることはできません。
きれいなイラスト、この時点で意味なし。
キャラクターはお金が稼げるものと、稼げないものがあり、人数による推奨の組み合わせを使用しない場合は、「全体の1/3枚以上は銀行からお金を稼げるキャラクターが良い」となっています。
つまり、残りのキャラクターはお金を稼ぐことが勝利条件のゲームなのお金が稼げません。
最初の所持金は6金です。
自分のターンにできることは3通り。
1)カードの確認
裏向きのカードを自分だけが見ます。
逆に言いますと、このアクションを使わないと自分のカードは中身がなにかわからないということになります。
2)カードの交換(のふり)
他のプレイヤーからカードを渡してもらい、テーブルの下でカードを交換して渡すか、交換したふりをして渡します。
つまり、この両者のカードの中身は、このアクションを行ったプレイヤー以外には確定できなくなるのです。
3)能力の行使
ゲームに登場しているキャラクターの能力の使用を宣言します。
重要なのは、実際に保有するキャラクターを宣言しなくてもよいということ。
誰も異議を唱えなかったら、カードを表にすることなく、そのキャラクターの能力を行使します。
たとえば、《王》だったらその能力により3金もらうことになります。
しかし、ターンプレイヤーが嘘をついている、もしくは自分のキャラクターを把握していない、etc.と思ったら、そして自分こそは《王》であると思うなら、異議が唱えられます。
「否、我こそが《王》である」と!
そうなった場合、《王》を僭称した者同士で裁判です。
ここで初めて両者のカードをオープンし、判定。
実際に《王》だったプレイヤーは3金を得、偽物であったプレイヤーは1金の罰金を裁判所に払います。
まぁ罰金は自分のカードをほかのプレイヤーのターンに確認する代金と考えてもいいのですが、直前のプレイヤーの行動によってカードがオープンとなった場合は必ず交換アクションをしなければならないので注意が必要。
基本のルールはこれだけなのですが……
ゲームの最初の4ターン(時計回りで4人)はカードの交換(のふり)しかできません。
まず、これで誰がどのキャラクターなのやら、かなり混乱します。
誰と誰が交換されたのか、そして何を持っていたのか……覚えること、判断することはたっぷりあります。
次に、お金を稼げないキャラクターとお金は稼げるけど勝てないキャラクターと、純粋にお金を稼げるキャラクターがあるのがミソ。
お金を稼げないキャラクターは、そのままでは勝てませんが、情報面で優位に立ったり、サドンデスで勝つ可能性があったりします。が、それで勝てるわけではありません。
《密偵》はその能力で、「交換」と同じアクションができますが、その際にカードの中を確認できます。
《詐欺師》は10金ある時に能力を使用できた場合、問答無用で勝ちになりますが、問題はその10金の稼ぎ方。
お金を稼げるキャラクターは問答無用でお金が入るのですが、そのペースやタイミングが難しかったり、交換対象になりやすかったり。
《王》は3金、《女王》は2金。シンプルで強い。
《農夫》は必ず2枚いるキャラクターで、1人であれば1金ですが、2人いた場合(つまり必ず公開)した場合は2金なうえに、そのあとの《農民》もおそらく能力を使用するので1ラウンドで4金夢じゃないキャラ。
《道化》は1金しか稼げませんが、ほかのプレイヤーのカードを2枚選んで交換(のふり)をすることができます。当然場は混乱の極み。
《審問官》はほかのプレイヤーを選び、そのプレイヤーに自分のキャラクターが何者か当てさせるというもの。外れたら4金そのプレイヤーから奪えるうえに、強制キャラ公開と強力。要注意キャラ。
《司教》は一番お金持ちのほかのプレイヤーから2金奪い、《泥棒》は両隣のプレイヤーから1金奪います。
《判事》は裁判所にたまったお金をすべてもらえるので、その状況によっては、他のプレイヤーの行動の判断が難しくなります。これも場によっては罰金がたまりまくっていきなり勝垂れる場合があるので要注意キャラ。
お金は稼げるけど勝てないキャラクターとは、勝利条件手前までは優位にお金を稼げるけど、所持金を終了条件の13金とするには、他のお金を稼げるキャラクターの能力が必要なもの。
《未亡人》は所持金が10金になります。10金に「なる」なので、12金の時に使うとお金が減ります。
《魔女》はほかのプレイヤーと所持金を入れ替えます。一番最初、全員が6金の時には全く意味がありません。
と言った感じ。
なので、必ずゲーム中に交換を迫られることにもなるし、能力に明確な差があるのでゲームの流れがかなり流動的になります。
自分とほかのプレイヤーのキャラクターの把握(明確でなくてもよし)と能力の使用の是非(正しいと思われる能力で行くか、ブラフで行くのか、ほかのプレイヤーは異議を唱えるのか、あえて唱えさせるのか……etc.)とカードの交換の是非(自分の所持金とほかのプレイヤーの所持金と裁判所のお金と、現状のほかプレイヤーの確定・半確定キャラから誰と交換すべきか……)とを天秤にかけることになり、能力の使用がある程度続くにつれキャラクターが公開(もしくはそうであろうキャラクターの把握)がされ始め、消去法が効き始めるなどして正体が明らかになるや、流れが交換タイムとなり……とゲームのタイトル通り仮面を取り換えてはお金を稼ぐテンポも独特のものとなっています。
ルールブックにも書いてありますが、ルールを把握したとしてもそのルールと能力が実際にどのように動くのかはやってみないとなかなか理解できないという見通しが悪いゲームですが、一度ルールの霧が晴れると、単純なルールによる駆け引きがかなりおもしろく、繰り返しプレイしたくなります。
しかも対応人数が幅広く、ルールも簡単であるため、様々な局面で出番があります。
13人という大人数のプレイに関しても、他のプレイヤーのターンにも集中していないと訳が分からなくなるため、実質ダウンタイムなど存在しません。
またプレイ時間も短く、サイズも小さく持ち運びもしやすいのも好し。
ルールのシンプルなパーティーゲームやブラフゲームを探している方、大人数で遊べるゲームをお探しの方、ゲーム会などでの人数・時間調整ができるゲームが欲しい方等々に強くオススメいたします。
ブルーノ・フェイドゥッティのマスカレイド
プレイ人数:2-13人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約30分
製作:Repos Production
デザイン:ブルーノ・フェイドゥッティ
価格:3,400円+税
※ルールはこちらで確認できます。
※ゲームのシステム上、カードが結構痛みますが、ディクシットサイズのスリーブが使えますのであわせてお求めください。