13世紀のようこそ労働者『ケイラス』


さて先週もご案内いたしましたケイラスとスモールワールド:王国は昨日当社倉庫を出荷しました……ので、今日、明日あたりには店頭に並ぶことになるかと思われます。

あと、D-Dayダイスやサファリダイスも今月中には入ってきそうです……

と、いうわけで今回はその新製品、
ケイラスのご紹介です

時は13世紀のカペー朝フランス……フィリップ4世の治世の大工の親方となり、城と城下町を建設するのが目的です。



場所はここ
今もあるケリュ。
Caylusでケイラスは思いっきり英語読みだよなぁ。

ゲームはいわゆる働く人をワーカー配置するプレイスメントシステムの元祖。
プレイヤーは順番に、手持ちの職人を城に送り込んで建設に従事させたり、建物に送り込んでその建物特有のアクションを行わせます。

ここで働くと、食糧か布地の、どっちかの資材をもらえる。


ここで働くと、布地をお金4に代えれる。

城の建設をするためにはいろいろな資材が必要なため、城下町で資材を手に入れたり、手持ちの資材を別な資材に変換したりしなければなりません。
しかし、城の建設は得点も高めで各区画で一番になると恩恵があるため、資材確保の後回しにしておくわけにもいきません。

そして、この働いてもらう職人もタダで働くわけでなく、賃金を払わないと働いてくれません……毎ターン自分の手持ちリソースとのにらみ合いが続きます。
誰かがパスすればするほど、職人のコストは上がりますので(足元見られていますぜ!)、6個ある職人コマをすべて使わずにパスするという選択もあります。タイミングも重要です。

町は川を挟んだ一本道沿いに発展していきます。

川向うの城側には固定の建物しかありませんが、川手前にはランダムに並べられた中立建物と、以降プレイヤーが建てる建物が並ぶことになります。

誰かが職人を送り込んでいる建物は、ほかの人は使用できませんので、プレイ順は非常に重要です。

また、建物の所有者は、ほかの人の職人にその建物で働いてもらうことで名声点を獲得できるので、人気の出そうな建物を所有できるかも重要です。

そして重要なのがこの2人。
行政官と監督官です。

白いコマの、大きい方が行政官で、小さいほうが監督ね。

行政官コマは道沿いに城から町のはずれまで、毎ターンの最後に1マス前進します。
監督官が先に進んでいたら、2マス進みます。
ゲームは白の党が完成するか、行政官が最後まで進んだら終了してしまうので注意が必要です。

そして監督官。
建設事業が滞りなく進んでいるか、文字通り監督する立場の人ですが、彼の目の届く範囲の職人しか働いてはくれません……彼のいるマスよりも先のマスの職人は、せっかくお金を払って送り込んでも働いてくれません。
しかも、この監督官自体、プレイヤーの賄賂によって城の側に戻ったり、先に進んだりするので、そのいる場所も非常に重要になってくるのです。

こうやって自分の職人を働かせて資材を貯めたり、城を建てたり、新しい建物を建てたり、監督官に賄賂を払ってほかの人の足を引っ張ったり、名声を高める建物を使用したりして、ゲーム終了時に最も名声点を獲得していたプレイヤーが勝者となります。

要素はいろいろあって複雑ではありますが、その分勝ち筋は多彩。
いまだにこのように新版が出ていたり、iアプリ版が出ていたりしており、2006年度のドイツ年間ゲーム大賞をはじめ、いろいろな賞を受賞しているのもうなずける傑作ゲームです。

本格的なゲーマーズゲームとして、「ヘヴィゲームも遊べるよ!」というプレイコミュニティに1つは揃えておくことをお勧めいたします。

ケイラス(Caylus)
プレイ人数:2-5人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:60-150分
ゲームデザイン:ウィリアム・アッティア
製作:Ystari Games
販売:ホビージャパン
価格:6,000円+税

今気が付いたけど、旧版はフィリップ4世だけがパッケージ絵に描かれていたけど、新版は加えて行政官と監督官が左右にいるのね。