ニュルンベルクでIello社の人たちとの商談で出た話なのですが……
「どうだい、日本では当社の日本語版商品は売れているかい?」
「ああ、キング・オブ・トーキョーも好調だよ」
「ほう、で、ドワーフの王様はどうかな?」
「キング・オブ・トーキョーの次に売れてるよ。(どっちも昨年の当社販売数でランクインしてるしな!)」
「えっキング・オブ・トーキョーの次だって!?
ドワーフの王様はフランスでは当社(Iello社)最大のヒット作で、
キング・オブ・トーキョーよりも売れているんだよ!!」
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と言うわけで、『ドワーフの王様』はニュルンベルク・トイショーの時には、既にフランスで7,000個以上売り切っていたそうです。なんかIello社の人、日本も同じだと思ってたっぽい。
市場規模がちがうとは言え、トリックテイキングはやっぱり欧米では強いなぁ、と言うお話。
それともフランス市場なのでフェイドゥッティのブランドも強いのかも。
あと、あのガーフィールドデザインの怪獣テーマなので、日本では『キング・オブ・トーキョー』のほうが評価が高いのか?
なお、『ドワーフの王様』はトリックテイキングの入門・教育用にもいいゲームなんでお試しあれ。
さて……と言うわけで、今回紹介しますのはまたまたフランスのトリックテイキング(っぽい)ファンタジーテーマですまん、
シャキーン!
です。
なおTschak!は鞘から件を引き抜く音なんですが、日本だと『しゅら~ん』とか、『しゃら~ん』とかになっちゃうので、もう少し威勢のいい音にしてみた。
ゲームは4ラウンド行う、トリックテイキングっぽい感じで、リードは無くて同時公開、スートは各トリックのプレイ制限に関わる感じ。
かな?
2人から4人まで遊べますが、3人以下の場合はカードをプレイしないダミープレイヤーが入ります。
カードのスートは3種類で、魔法使い、戦士、ドワーフ。
加えて魔法の宝物が手札です。
まず、魔法使い、戦士、ドワーフを各プレイヤーに3枚ずつ配り、魔法の宝物を1枚配ります。
その次に、攻略する塔に宝物とモンスターを配置します。
これは内容はランダムですが、トリックのプレイで獲得できる点数になります。
3階あるので3回カードプレイがある感じで、各階3枚のカードで勝負。。
1階は1枚ずつ公開、2階は1枚公開+2枚公開、3階は3枚同時公開です。
各階で出すカードの条件は、必ず違う種類のカードで無ければならないこと。つまり、魔法使い、戦士、ドワーフ、もしくはそのいずれか1枚が魔法の宝物で無ければならないのです。
こうしてカードプレイをしたら、最も数字の大きいプレイヤーが得点となる宝物を、最も低いプレイヤーが減点となるモンスターを得ます。
1階から3階まで解決したら、最後にあまった1枚を比べて略奪品のコインを手に入れます。
これで1ラウンド、1つ目の塔攻略です。
ここまではオーソドックスな内容ですが……
今のラウンドで自分の使ったカードは、そのまま左のプレイヤーに渡します。
つまり、次に使う手札は右隣の人から受け取るのです!
この内容のわかっているカードで、毎回ランダムに配置される各階層の宝物を獲得したりモンスターをかわしたり、最後のコインを獲得しなければならないのです!
コレを4ラウンド(4つの塔を廻ります)繰り返して最も得点が高い人が勝者となります。
ルールは簡単だし、30分程度でプレイできるので結構お手軽な感じですが……配られるモンスターや宝物を見て、何処で勝負をかけて何処で手を抜くのか考えながら、かつ他のプレイヤーが以前に使ったカードを覚えておくこと、他のプレイヤーの行動を読む力など(手札がまるまるわかってるんだしな!)が必要なゲームとなっており、かなり選択も悩ましいゲームとなっております。
厳密に言うとトリックテイキングじゃない気もしますが、おそらくトリックテイキングが得意な人は強いんじゃないかな、このゲーム。
プレイ時間も比較的短めで、ルールは簡単なので、これまた初心者をこの世界に誘い込むには良い感じのゲームです。
もちろん、ゲームに慣れた人は悩ましい駆け引きをお楽しみください。
シャキーン!(Tschak!)
プレイ人数:2~4人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:約30分
ゲームデザイン:ドミニク・エルハルド
製作:Games Works
価格:3,000円+税
なお、宝物の中の1枚が……
どうみてもフランスで視聴率100%をたたき出したあのアニメリスペクトです……そうか、イラストレーターはGoldrak世代か。