飛び回れこのマイハート『エアライン・ヨーロッパ【日本語版】』


今回紹介いたしますのはチケット・トゥ・ライドシリーズのアラン・R・ムーンのエアラインのリメイク、
エアライン・ヨーロッパです。

エアライン・ヨーロッパは欧州航空路線開拓期を舞台にした経済ゲームで、プレイヤーは投資家となり、航空路線を発展させ、株式を収得し、決算期になったら各社の株式の収得順位ごとに勝利点の配当を受け取ります。



ルールはシンプル。
最初の手札は株式カード8枚。そこから2社の株式カードを選んで、自分の場に出すことで初期持ち株にします。
現金はそれぞれ8ミリオンユーロ。
これがスタートの資産です。
最初に株式カード5枚を表にして並べ、株式市場を作っておきます。ここから株式カードを獲得するわけ。

プレイヤーは自分のターンに以下のアクションのどれかを行います。

A)航空路線の路線ライセンスを購入し、株式カードを市場か山札から手札として取る。
 航空会社は購入コストの分だけ外周トラックそ進めて成長し、プレイヤーも株式カードと言うリソースを得ることができます。
 

 購入にはプレイヤーが現金を支払います。複数路線の乗りいれができる路線は最初は安い金額で、埋まっちゃったら乗り入れできなくなります。

B)株式カードを出して短期の配当を受け取る。
 持ち株(自分の前に並べて出しておく)にした上で、1株につき2ミリオンユーロ受け取ることができ、手札を一気に資産にできます。
 手札の出し方的には同じカードを任意の枚数いっぺんに出すか、2社各1枚を出すか。

 決算時にこの持ち株枚数で配当される勝利点が決まるので直接勝敗に関わりますし、短期の配当といえる2ミリオンユーロは、新たな路線獲得にも使えます。



C)エア・アバクス社の株式カードを獲得する。
 エア・アバクスだけは路線を確保しない、特別な航空会社。
 このアクションでだけ獲得できますが、この会社だけ実際の路線の成長=会社の成長とは関係なしに決算の時期で配当勝利点が決まります。
 購入には手札の株式カードを使います(1:1か3:2交換/あくまで手札になっただけなので、持ち株にするにはアクションBが必要)。お金はもらえないので要注意です。

 ちなみに航空会社の名前は全てボードゲーム会社の名前のパロディです。
Days of Flying Wonders
Brooms Bewitched
Jolly Roger Airship
FF Flys(たぶんココのパロディだと思う……)
It’s Fun Again to Fly
Flying is Simply Fun
White Winds
Air Amigos
Rio Grande Southern Europe
Lucky Hans Airways
Air Abacus


しかも会社によって引ける路線の数が違ったり、特定の会社が目標の路線を引くことでボーナスがあります。
つまり、おのずと安い配当しかないであろう会社が存在するのですが、たくさん路線が引けるポテンシャルがあっても邪魔されしまえば価値は暴落です。


決算時の配当は、初期の段階では短い路線しか引けない会社ほど高い。

D)紙幣を受け取る。
 銀行から8ミリオンユーロを受け取ります。
 現金は航空路線の獲得に使います。

基本はコレだけ。
そして、株式カードをめくったり引いたときに決算カードが出現したら持ち株の株式決算です(都合3回)。

所有株の多い順から勝利点を獲得します。
各社の株式は投資額が大きい路線ほど高くなります。
エア・アブクス社だけは、時間とともに勝手に育っていきます。

さて、ゲームの勝利はナニにかかっているかと言うと、なるべく多くの会社の筆頭株主になること。
でも、その株も航空会社の価値が低ければ意味が無いので、そこで航空会社を成長させるには、路線を押さえなきゃダメで、お金が必要。
株式を獲得する(持ち株にする)には、手札が必要で、手札に株式カードを手に入れるには、「株式カードを引く」ことが必要。
他の人の持ち株はオープン情報ですので、誰がどの会社押しなのかは把握可能。
自分がその会社を独占できればその会社の資産価値を伸ばし、自分が株を獲得できないならその航空会社の伸ばそうとしている路線をふさいでしまうとか、相乗りさせてもらう……と言うことをがんばるゲームです。

空の路線を発展させつつ、自分の保有株式の価値を他社より高くするなど株価の操作をしつつ、なおかつ他の人をより株数を多く保有して配当をより多く得ようとするべく努力をする。
シンプルですが、かなり考えどころの多い経済ゲームとなっており、単純な資産を増やす系統の経済ゲームではなく、盤上の変動する価値を見極める系統の経済ゲームでルールの軽めのゲームをお探しの方にオススメいたします。

なお、ハコはこんな感じできれいに収まりますが……

打ちぬきボードの分だけ厚みが減ると、隙間ができて中身がこぼれるのでこのようにプラスチックトレーの下に打ち抜き後のボードを入れるといい感じデス。

エアライン・ヨーロッパ【日本語版】
プレイ人数:2~5人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:約75分
ゲームデザイン:アラン・R・ムーン
販売:ホビージャパン
価格:5,600円+税

2件のコメント

  1. webmaster 2011/10/04 2:29 pm

    開催ありがとうございます!
    ただ、当社のブログ、どうも2バイト文字でurlが入ると1バイトコードに書き直すのですが、その長さに制限があるようですので、下に貼りなおしておきます!
    今週は「エアライン・ヨーロッパ」体験会 | KIWIGAMES

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