今回紹介いたしますのは、クレオパトラ鉄道に続くZ-MANの普通じゃない鉄道ゲーム、西部幽霊鉄道です!
アメリカ人の心に刻まれた民族性の原点、西部開拓時代の一瞬だけきらめいたゴールドラッシュによって開拓された町。その西への開拓民の移動は多大な犠牲を生み出しながらも、何もなかった荒野に町を築きあげましたが、町はその終焉とともにさびれ、打ち捨てられていきました。
数多くの山師や貧乏人、ヨーロッパからの下級階層の移民などが資財をなげうって西へと進みましたが、ゴールドラッシュで実際に富を手にしたものはごくわずか。
大多数は失意とともに骨をうずめることとなったのです……
そんなゴーストタウンにいる哀れな魂を故郷まで届けるのが幽霊鉄道の役目なのです。
ゲーム自体はごくごく普通の集荷・配送型のゲーム。
手札のカード(全部で9枚/各プレイヤー共通の内容)を使って自分の列車を移動させ、ゴーストタウンで魂を拾って故郷へ運ぶのがお仕事。
ギミックとしては、
・カードを競りにかけて最初に移動する権利を得る。
・移動は線路ならぬ地脈(レイライン)に沿って移動し、カードをプレイして移動。合計で、移動のマス数以上の値が必要。
・毎ラウンドの最後、競りや移動に使ったカードは捨てた順番に並べておき、その半分だけを古い順に回収する。
・魂(客)のあるゴーストタウンから移動するときは魂を載せることができる。
すごく普通。
ただし、このほかに重大なルールとして
他のプレイヤーが通った「跡」(飛行機雲のように、エクトプラズム/霊気の雲が残るのだ)を通るときはカードのコストはかからないのですが、この霊気雲は徐々に消えていく(かもしれない)のです!
取り除かれる数は、使ったカードの値に等しい数だけストックから用意したときに、足りない分(全部で13本……)。普通の鉄道ゲームでは、引いた線路は恒久的なものですが……
霊気雲を取り除けるのは移動の前なのですが、自分自身は自分の列車の霊気雲の上や、霊気雲を取り除いたばかりのマスには移動できません。
先に乗客を乗せるためには先に動かなければなりませんが、後に動くことでこの霊気雲を使ってより遠くへ到達できます。場合によってはコスト無しでうごけてしまうわけ。
つまり、霊気雲自体は何時までもあるわけでは無いので、よくよく動く順番と移動を考えないと霊魂を拾うどころじゃなくなりますし、自分の霊気で身動き取れなくなるかもしれません。
手札のマネジメントをよくよく考えて、競りと移動にカードを使うのです。
ルール自体はシンプルですが、集配の順番もよく吟味しなければならず、ギミックとフレーバーがちょっと変わっている鉄道(霊道?)ゲームとなっております。
値段は結構お手軽。西部ネタ好き、鉄道ゲームコレクター、西部で幽霊ネタで鉄道って……ふざけてるわねと思ってしまったあなたにお勧めいたします。
追記:4人用マップの「事故」アイコンに間違いがあります。Paradise ValleyとChloride Cityのアイコンは無視してください。
西部幽霊鉄道(Spectral Rails)
プレイ人数:3~4人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:約60分
ゲームデザイン:Morgan Dontanville
ゲーム製作:Z-MAN Games
価格:5,040円(4,800円+税)