冒険においてもっとも重要なもの。それは打ち消しだ『宿命の旅団 Fellowships of Fate』


今回は来る12月25日に発売予定の
宿命の旅団 Fellowships of Fate
をご紹介いたします。

2019年のゲームマーケット秋にて頒布されたWYゲームズ『宿命の旅団』を、I was gameの上杉真人さんによるシステムディベロップ、長谷川登鯉さんによるUI監修のもと出版した新装版です。

その島には、かつて太陽から無限のエネルギーを生み出す高度な技術を持ちながら、何故か一夜にして滅び去った文明があったという。
今なお古代の罠と密林に守られ、訪れたものは決して戻らぬというその島へと、いかなる因果か今、五隻の船が針路を取った……

……そんなストーリーで始まるこのゲームでは、プレイヤーは個性豊かな9人の団員たちを抱えた旅団として、南の島での冒険に旅立つところから始まります。
ゲームの目的は、この南の島での冒険をまとめた旅行記を綴ることです。最も長大な旅行記を完成させたプレイヤーが、ゲームの勝者となります。

旅行記を分厚くするために、多くの冒険に挑み、古代文明の遺物を発見しましょう。

南の島にある古代文明の遺物の中には、冒険の道中で使える強力な装備も眠っています。

冒険を完遂するには、9枚の団員カードの能力をうまく使うことが重要。

団員カードには【名もなき能力】と【伝説の能力】があり、【名もなき能力】の強力版が【伝説の能力】です。


右から《戦士》《聖職者》《宿命の旅人》。
たとえば戦士は、【名もなき能力】能力では〈武力〉×2を得ることができますが、【伝説の能力】は〈武力〉×2と〈攻略〉を得ることができます。

ゲームは、編成 → 冒険 → 移行の3フェイズを4回繰り返した後、得点計算をして終了します。

《編成フェイズ》

全員同時に、9枚の団員カードの中から4枚を選び、手札にします。
1ラウンドの冒険に、9人全員は連れていけません。
選び終わったら、冒険に出発です!

《冒険フェイズ》

冒険では、手番が来るごとに

手札から団員カードを1枚出す
   または
伝説の能力を発揮する

のどちらかを行います。

手札から団員カードを出すとき、【名もなき能力】または【伝説の能力】のどちらを使うか、大声で宣言します。
【名もなき能力】なら、すぐに能力を発揮して、資源を獲得したり、行動を起こしたりできます。
【伝説の能力】なら、その手番はそこで終わります。伝説と名付けられるほど強大な能力は、すぐに結果が得られはしないのです……。

次の手番が回ってきたとき、目の前に【伝説の能力】を宣言したカードが生き残っていれば、その能力を発揮することができます!
そう、生き残っていれば……。
次の手番が来るまでに、【伝説の能力】を宣言したカードが打ち消しされていると、能力は発揮できません。

《打ち消し》

打ち消しこそ、このゲームシステムの要です。
【伝説の能力】を宣言しているとき、他のプレイヤーがその団員カードと同じ名前のカードを出すと、能力が発揮できなくなるのです!

「同じ名前のカード」というところがカギで、出されたカードの宣言が【名もなき能力】でも、【伝説の能力】でも、どちらでも打ち消しが発生します。
また、打ち消しは、狙わなくても構いません。手札に同じ名前のカードがあったとしても、自らの目的のために相手の【伝説】を見逃すこともできます!

このように、手札の団員カードがなくなるまで、冒険を続けます。
全員のすることがなくなったら、冒険フェイズは終了です。

この冒険フェイズの中で、資源を獲得し、冒険カードや遺物カードを獲得します。
冒険カードは、表向きになっている4枚の中から選びます。
また、獲得している資源は公開情報です。

つまり、これらの情報から、他のプレイヤーがどの冒険カードを獲得したいのか推測し、編成フェイズでどの団員カードを選んだかを考えることができるのです。

相手の狙いとずらした冒険カードを狙うもよし、狙いを被らせて邪魔をするもよし……。

自分の冒険を、他のプレイヤーよりも偉大でユニークなものにするためには、【伝説の能力】を成功させることは必須です。打ち消しの危険を冒して【伝説】に挑まなければ、真の冒険者たることは出来ないのです。

ゲームの終わり、得点計算を行うとき、あなたの手元には、南の島での冒険の数々が綴られた旅行記があることでしょう。

コンパクトなサイズながら、30分しっかりと遊べるカードゲームです。ぜひ手に取って見てください。

宿命の旅団
プレイ人数:2-5人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:約30分
システム:WYゲームズ
ディベロップ:上杉 真人(I was game)
アートワーク:TAKERU
UI監修:長谷川登鯉
価格:1,800円+税