『ホットゾーン』と言えば先日再販されたリチャード・プレストンによる、エボラがアメリカに侵入した際に、パンデミックを阻止したノンフィクションですが、今回紹介いたします
パンデミック:ホットゾーン
は世界中で蔓延する様々な感染症を治療する治療薬をつくる『パンデミック:新たなる試練』をもとにコンパクト化したゲームであり、こちらも『ホットゾーン』同様舞台は北アメリカとなります。
ゲーム的には従来の『パンデミック:新たなる試練』とほぼ変わりませんが、以下の点が異なります。
『新たなる試練』 | 『ホットゾーン』 | |
都市数: | 48都市 | 24都市 |
病原体数 | 4種×24個 | 3種×8個 |
エピデミックカード | 4~6枚 | 3枚 |
役割 | 7種類 | 4種類 |
初期感染都市 | 3個×3都市 2個×3都市 1個×3都市 |
3個×2都市 2個×2都市 1個×2都市 |
……と大幅にコンパクトになっています。
ゲーム自体はほぼ同じで、自分の手番には好きなアクションを組合せて4回行い、プレイヤーカードを2枚引き、感染率に等しい枚数の感染カードを公開して感染を広げていきます。
ただし、全体的にマップがコンパクトであるがゆえの修正もされており、新たな研究所は作れず、本拠地のあるアトランタのCDCでしか治療薬を作れません(ただし、治療薬製造のために必要な都市カードの枚数は5枚ではなく4枚となっています)。
都市カードの枚数は半分しかないので、山札が尽きたら終了というタイムリミットも半分となります。
しかもエピデミックは、手札を除くとプレイヤーカードの総枚数23~25枚に3枚がエピデミックであり、8手番に1回はエピデミックが発生する頻度となります(つまり、もとの『パンデミック:新たなる試練』で最大の6枚エピデミックとほぼ同じ頻度)。他にも、根絶のルールは無いので治療薬を作って盤面から病原体コマを一掃しても、再びその病原体コマは置かれてしまいます。
また、『パンデミック:新たなる試練』と若干能力の内容が異なる役割もあります。
……という感じで元のゲームより飛び回らなければならない広さで有利、治療薬の開発で1枚有利、根絶できない分治療薬開発後ちょっと不利、エピデミックの頻度は最高難易度並み……というバランスかと。
何より都市カード枚数が少ないため、1手番の重みがピーキー!
こちらのほうが気が抜けない部分もあります……がクリアできない難易度ではない感じか、少しイージー。
ここよりさらに難しくしたい場合は、「不利なイベントカード」として「危機カード」が用意されているので、こちらをエピデミックと同じ要領で加えることで難易度の調整もできます(イベントカードの写し鏡的なものなので結構内容がドラマチック)。
このような内容で、今までのプレイ感はほぼそのままに持ち運びがイージーで場所も取らず短時間で終わる『パンデミック』のバリエーションとして、またはプレイしたことがない人と試しにプレイする初めての『パンデミック』としてオススメいたします。
パンデミック:ホットゾーン
プレイ人数:2-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:30分
製作:Z-MAN Games
デザイン:マット・リーコック
価格:3,000円+税