年末発売されました新作の中から今回紹介いたしますのは、アントワーヌ・ボゥザ作の海底探検ドラフトゲーム、
オケアノス
です。
ゲームは海の海面近く、中間層、海底近くの3ラウンドを行って、なるべくクラーケンに出会うことなく、数多くの生き物を見つけ、高性能の潜水艇に改造し、大きなサンゴ礁を見つけ、潜水夫に海底の宝を引き揚げさせることで点数を競います。
ゲームのシステムはカードドラフトですが、ちょっとかわっていて……
ラウンドは3回で、使うデッキは違うものです。
毎ラウンド5ターン、ディーラーを時計回りに変えて5回のドラフトが行われるのですが、
1)ディーラーは各プレイヤーに「1+潜水艇の探知能力=潜望鏡の数」(探知力は操縦席パワーアップで増える)だけカードを配り……
2)配られたプレイヤーはそのカードの中から「1+潜水艇の行動力=消費燃料」だけカードを手元に置き、残りはディーラーに渡し……
3)ディーラーは戻ったカードの中から、「1+潜水艇の行動力=消費燃料」だけカードを手元に残す(行動力はエンジンパワーアップで増える)。
4)残したカードを一斉に出す
というやり方でカードを選択・配置していきます。
この獲得したカードはそれぞれ自分の前に横1列・3段に並べていくのですが、その順番が重要でそこがキモ。
ラウンドごとの点数は、「潜水艇のスクリューパワーアップ」、「獲得した魚の種類数(潜水艇がパワーアップすると獲得上限が上がる)」で点数をもらい、一番「クラーケンの目」をもらったプレイヤーはペナルティを受けます。
黄色の○で囲っているのが、クラーケンの目。赤い丸は改良の条件……「クリスタルを獲得して、海底基地に」の並び。
どれくらいのペナルティかはランダムだけど、他の人よりクラーケンの目が少ないに越したことはない。
しかし、クラーケンの目があるカードは得点要素が多いのも事実……
ゲーム終了時は、3段に並んだカードの列から、「辺でつながった最大のサンゴ礁の珊瑚」と潜水夫(数は船首パワーアップで増える)を配置した「宝物から縦方向上にある宝物の」が得点となります。
つまり、最終的にどの手段でどの形にして点数を稼ぐかを考えていくのが重要となってくるのです。
しかも、このゲームで重要な「パワーアップ」の要素も、カード上のクリスタル⇒海底基地の配置で行うため(基地はラウンドの最後には絶対入れるけど、途中途中でパワーアップしたほうがいいに決まってる)。
そしてこのゲームの一番のポイント……
自分の潜水艇のパワーアップ!
潜水艇は5個のパーツに分かれていて、それぞれ3段階ありますが……全部パーツ差替えでパワーアップの表示をします。
普通は、なんかパワーアップマーカーとかで済ませるところを、組み替えていくわけですよ!
操縦席:探知力を上げて、カードを分配枚数をアップ!
でも引きすぎるとディーラーに良いカードをあげてしまうことになるかもだ。
艦首:潜水夫はココに乗り込むぞ! パワーアップしてお宝を大量に引き上げよう!
潜水夫は宝物を配置した時にしか置けないのと、下から縦方向にしかお宝を回収できないのにも注意だ!
水槽:見つけた生物はココにしまうぞ! パワーアップすれば、より多くの生物を採取できるんだ!
後半になればなるほど重要だ!
エンジン:燃料の数だけ余計にカードを並べることができるぞ! パワーアップして分配された気になるカードはぜんぶゲットだ!
パワーアップしないと、毎ラウンド最大6枚までしか並べられない……たくさん並んだ方が有利に決まってる!
スクリュウ:純粋に点数だ! パワーアップすれば即点数になるぞ!
プレイヤーごとに、テイストが異なるのもよろしい。
この、男子心をくすぐる(無駄な)ギミック!
このギミックのため、潜水艇タイルはちょっと厚めの紙でできております。
このように、ルール的には極めてシンプルなカード選択と配置、セットコレクションのゲームですが、海底探検と言うフレーバーと、見た目も楽しいパワーアップの要素など、気になるポイントはたくさん。
ボゥザのドラフトゲームが気になるという方にはもちろんですが、短時間で終わるけど得点経路が複数あって繰り返し遊べるゲームをお探しの方にもおすすめいたします。
オケアノス
プレイ人数:2-5人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:30分
製作:Iello
デザイン:アントワーヌ・ボゥザ
価格:5,800円+税