いわゆるユーロ系ボードゲームの業界と言うのは、他のジャンルからの人材の流入や交流、影響も多々あり、思い返せばアメリカのシミュレーションゲーム出版社のアバロンヒルなどは早いころからSDJ受賞作の『貴族の務め/Adel verpflichtet』など販売していたり(当社も輸入販売しておりました……)、ユーロゲームのデザイナーがアメリカの出版社のゲームをデザインしたりしてるのですが、
『ファイナルタッチ』
はTCGのデザインで知られているマイク・エリオットとドイツゲームには無い感性が光る気鋭の出版社Space Cowboysのタッグによる作品。
そのための新ブランドは、ゲーマーズゲームではないゲーム向けのSpace Buddiesデス。
プレイヤーは贋作チームの一員なのですが、それでも創作者。
できれば自分で作品を仕上げることを望んでるのですが、作品は自分一人で仕上げるわけではなく、最後のひと筆を置いた人の功績になってしまいます。
ですから、自分の功績にならないのであればいっそ汚してしまえ!となり、汚れた絵は相手の功績になってしまいますが、価値が半減してしまいます。
贋作は、常に1作だけ製作されていて、次の贋作は山札から見えています。
作品を仕上げる もしくは 汚す
です。
<正誤表が出ております>
作品ごとに必要な絵具の色と枚数はきまっており、望む枚数だけ絵の具を使って仕上げることができますが、上限は5枚ですので、自分の手番で完成できない場合は相手に完成の権利が移ってしまいます。
仕上げてみた。
後必要なのは、青×2、黄×2、茶×2なので、相手の手札5枚では絶対完成できない!
汚す場合は必要ではない色の絵の具を1枚使うのですが、3枚溜まると汚れてしまいます。
やはり汚してきた……赤はもう必要ないので汚れたことになるのだ!
相手は結局3枚目の汚しを出したので、額面の点数がこちらのものに。
自分が完成させてたら倍なのに!
手札は絵の具のプレイ後、5枚まで補充しますので、手札のマネジメントも大事。
やることは、任意の枚数だけ必要な絵の具をプレイして完成に近づけるか、1枚だけ不必要な絵の具をプレイして汚してしまうか……なのですが、
「はたして、この絵に何枚つぎ込むべきか、あまりつぎ込むと相手が完成させてしまうのではないか……」
「1ターンで完成させるためには手札をそろえ無くてはならないがそのためには1枚汚すために使わなければならない……がそうするとここまでつぎ込んだのに相手が1枚でも汚してしまえば価値が半減してしまう……」
「相手が次の絵に必要な赤を使ってまで汚した理由は何だ……色がそろっていないのか?」
「こっちの点数は今合計18だけど、相手は22ある……一番安い贋作でも汚して渡すわけにいかないじゃないか! わざと失敗作作らせていやがったな!!」
などなどシンプルだけど、はったりと読みあいが熱い展開となります。
なお、ゲームは2人は対戦、、3人は対戦ですが台無しになったカードは2人が共有、4人は2人対2人のタッグ戦となりプレイ感覚はちょっとずつ違いますがいずれも25点達成した人が勝ち。
手軽で短時間で終わるのですが、駆け引きは熱いものが有り、短時間で終わるお手軽なカードゲームとして価格もお安いので1つ揃えておくと重宝するとおもわれます。
ファイナルタッチ
プレイ人数:2-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:15分
製作:Space Buddies
デザイン:マイク・エリオット
価格:2,600円+税
http://hobbyjapan.co.jp/gamelist/finaltouch/