なんだかんだとあると便利で、プレイする機会も作りやすいといえば作りやすいのが2人用ゲーム。
当社だけでも『パッチワーク』や『ジャイプル』、多人数ゲームを2人用にした『世界の七不思議:デュエル』などが出版されて、人気が少しずつ上がっている状態ですが、今回紹介いたします
路面電車
も、2人用のゲーム。
ミュンヘンを舞台にそれぞれ路面鉄道会社を持ち、ミュンヘンの路面電車網での市場争いをします。
なお、舞台はミュンヘンですがパッケージはクレメンス・フランツ描き下ろしの日本スペシャルパッケージ。
どうも横浜みたいですよ。
さて。
鉄道のゲームといえば、マップ一杯に路線があったり、逆に何もないマップに線路を引くゲームがほとんどですが、こちらはカードを使って抽象的に表した感じとなっています。
得点計算表はこんな感じでパウチしてホワイトボードマーカーを使うようにするといいよ!
カードは3種類あって、1つは路面電車のカード。
と、いっても最初は鉄道馬車から始まって、蒸気機関路面鉄道、トロリー路面鉄道と最後のグレードだけが“電車”。
ターミナル駅が4つ。
ここを起点に各路線が伸びていくイメージです。
実際のミュンヘンの地図を見ると楽しいかも。
そしてプレイに使うカードは3つの機能があり……
手順としては、まず各路線のターミナル駅にお客を1枚か2枚出します。
イメージ的には人が増えて路面鉄道需要が高まってきている感じ?
次に路線を好きなだけ伸ばします。
1枚1枚が停車場のイメージ。たくさんあると長い路線と言えます。
でも、駅だけ設定しても、実際に鉄道客車を配備して稼働しないとお金にはなりません。
手札の要らないカードはお金にできます。
というか……この手段でしかお金は溜まりませんので注意!
配置できなかった路線はすぐ廃線となって捨て札になりますので、ちゃんと車輌を買う算段を建てて新規路線を作らないとダメ。
そして手札補充。
これを交互に繰り返していくわけですが……
重要なのが、路線は同じ色のカードを並べて、数字の小さいものから大きいものの順になっていないとダメな点。
しかも、後から間にはカードを出せません。
数字は1から10まで。10の路線を置かれた路線はそれで完成。
ここに客車を置くことでお金を稼げる路線になります。
稼ぐ金額はカードの点数合計×搬送力(客車に書いてある倍数)
そして、この収入計算は駅のお客の枚数が4枚になったら、その色の路線で両方のプレイヤーが計算するのです!
つまり、相手路線と自分の路線を見比べて、お客を出すタイミングを見計らわなくてはダメ。
とはいえ、お客を出すのは義務なので、そこも悩ましい……
また、臨時運行として路線のカードが8枚になった時はお客の枚数にかかわらず、そのプレイヤーだけが即座に収入を得ます。
Jのカードは車掌でジョーカー。
路線の枚数を数えるとき、点数にはならないけど1枚分になるし、お客の代わりに出せる。
収入計算を10回行ったらゲーム終了なので、相手より儲かるタイミングを見計り客をだし、相手より長くて儲かる路線をつくっていく、かなりギリギリした争いになります。
そして、カードの枚数も曲者でして……カードの枚数には限りがあり、ある路線が伸びれば伸びるほど山札にある枚数も減っていくし、当然その色が出にくいと路線は伸ばしにくくなっていくし、何よりお客も出にくくなっていきますので決算も起きにくくなり、路線を伸ばし過ぎるもの考えもの。
場の状況はよくよく考えておかなくてはなりません。
手札は毎回6枚まで補充なので、そのリソースをお客にすべきなのか、路線にすべきなのか、お金にしておくのかで悩むゲーム。
そして路線をつくると客車を買わなければならないけど、後から出てくる客車の方がお高いけど性能がいい(倍数が違う)のでどのタイミングで路線を作り始めるべきかも悩みどころ。
最初は手なりになりがちですが、時期にお互い邪魔し合う方法がわかりはじめ、収入は同時であるために「どの色に何時お客を4枚並べるか」がおそらく最初の焦点に。
そしてゲームの仕組みと各数字の枚数がわかってくると、手札の各カードの価値や路線の価値やゲームの進行具合うを見積もることができるようになってくるので、どの路線でどのぐらい伸ばしてどの客車を配備できるか、何時ゲームを終わらせるのかと言う計算になっていき、相手よりも優位な収入体制を整え、収入計算を仕掛けるのがたのしくなっていくでしょう。
若干場所を取りますが、コタツサイズで2人で遊ぶことが十分可能ですので、2人用ゲームをお探しの方にはぜひ挑戦してほしいゲームとなっております。
路面電車
プレイ人数:2人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:30分
製作:Lookout Games
デザイン:ヘルムート・オーレイ
価格:3,600円+税