今やアナログゲームの市場は世界で連動していて、海外での再生産が(まとめていろんな言語をつくる都合)日本語版出版のチャンスでもあるのですが……
ジャイプル
もけっこう古いながらも2人用ゲームとして評価が高く、再生産の待たれていた商品です。
そしてこの機に乗じて日本語版!
プレイヤーは商人となって商売をして、相手より儲けるのが目的(単位はルピー)。
で、その勝負を2本先取で決めます。
最終的には金額じゃなく、2本買ったほうが勝ち。
つまり、大きく勝つ必要はないし、流れが悪いならさっさと次の勝負という考え方もアリ。
コンポーネントは様々な商品7種類をあらわすカードと、報酬となるトークン。
ラクダはちょっと特殊な商品。
基本上にあるものほど高価値。
各自最初の手札は5枚で、手札上限は7枚。
手札にラクダがあったら家畜置き場に置ける(手札じゃないので何枚あってもよし)。
プレイヤーは「カードを取る」か「カードの売却」のいずれかを行いますが……
カードを取る(仕入れてる)場合は
1)市場のカードを任意の枚数手札に加え、同じ枚数だけ手札や家畜から市場に戻す
ラクダがいると、手札の必要なカードを吐き出さずに済むので重要ですな。
2)品物を1枚取る……代わりに1枚山札から補充。
いやいや、家畜置き場にラクダ1枚では後々つらいので、ここは取るだけにしよう……
3)ラクダをすべて取る……自分の家畜になる。市場にはカードが補充される。
いやいや、とりあえずはラクダを充実だよ。実質ドロー能力獲得ですよ、ラクダは。
……こうやって手札をそろえていくのだ。
相手の都合も鑑みながら!
もう一つのアクション、
カードを売却する場合は
売却したい品物を1種類好きな枚数捨て札にする……
その種類の商品のトークンを上から同じ枚数もらう。
上のトークンの方がお高いので、先に売り払ったほうが金になる。
枚数に応じてボーナスをもらう。
裏はランダムでゲーム終了まで不明。
ただし、3枚ボーナスは1~3ルピー。4枚のボーナスは4~6ルピー。5枚以上ボーナスは8~10ルピー。
あれ、粘ったほうがいいのか?!
宝石、金、銀は賞品トークン全ての価値がほぼ同じですが、必ず2枚以上で売らないとダメ。
あれ、布とかに比べると(5-3-3-2-2-1-1ルピーの順)こっちは急がなくてもいい?!
ゲームの終了条件は品物トークン3種類が無くなったら……やっぱり急いだ方がいい場合もあるぞ、これ。
もしくは山札が足りなくなったとき。
収入を得るために、カードセットを集めるためには、1枚ずつカードを取るか手札+家畜で交換するか。
なるべく早めにたくさんの枚数を売ったほうがいいけど、手札リソースをごそっと無くしてしまうので悩ましい。
何しろ次からは1枚ずつ取るか、ラクダを取って次の交換ネタにするしかないからだ。
しかし、手札の上限などもあるので、たくさん交換したい場合はラクダがいてほしいけど、ラクダを取ると一気に市場に新しい品物が補充されてしまい、相手が先に商品を取るチャンスになるかもしれない。
タイミング的には<ラクダ>→<品物を取る/交換する>→<売る>の順なので相手のタイミングを潰すのも重要。
品物トークンの点数傾斜もおそらくミソで、2枚先に売った方が、3枚後で売るよりも基本金額は上。ボーナスは無いけど。
ボーナスは枚数が多ければ多いほどググッとお高くなるので、できれば5枚で売りたいけど、そこまで待てるんだろうか?
……などなど、刻々変わる市場のカード、手札枚数や自分のラクダ枚数、売られたカードと金額、残りの枚数等々考えながら、カードセットを集めるタイミングと売るタイミングを相手より有利にすべくひたすら悩む感じ。自分の行動が状況を変えてしまうため、その結果が相手にどう利するか相当悩ましい。
特に、相手が買いたいときに買えなくしたり、相手が売る前に売りさばけるとやたらと気持ちがいい!
ルールはシンプルながら駆け引きや読みあいが熱く、
「やったことないなんて人生損していますよ!」
と力説する某店長もいるほど。
長い間再版を重ねているだけあって、面白さは保証付きみたいなもの。
キレの良い2人用ゲームをお探しの方にはかなりのオススメとなっております。
ジャイプル
プレイ人数:2人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:30分
製作:Games Works
デザイン:セバスチャン・ポーション
価格:3,000円+税