『オニリム:最初の旅と七つの書』は、夢の世界から悪夢を避けて脱出するというテーマ性とゲーム内容から好評を博したわけですが……
シルヴィオン
はそんな夢の世界(オニヴァース――Oniはギリシア語で夢のOneirosから来てる)の森を守るオニヴァースシリーズ第2弾。
迫りくるはラヴィジ率いる炎の軍勢。
むかえるは、あなたが指揮する森の動物たちや泉や木々。
さて。
ゲームはタワーディフェンス系のカードゲーム。
境界カードはダメージを受けると裏返しになり、ゲーム終了時には全ての境界カードが表面にならないと負けになります。また、ゲーム中でも、すべて裏返しになった状態でさらに炎からのダメージを受ける(裏返さなければならないのに裏返すことができない)と負けとなります。
ゲームのプレイエリアはこの逆コの字の中の4×4のエリアになります。
自分のデッキは……
プレイするといろいろな効果を発揮する『動物』、
戦闘力は無いけどゲーム終了時にその生命力だけ境界カードを回復させる『樹木』、
迫りくる炎と戦う壁である『泉』があります。
一方、敵である荒廃(ラヴィジ)が送り込んでくる炎の軍勢のデッキは0から3までの戦力に分かれた炎の精霊と……
これらは逆コの字の右側に盾に4つの均等な山札にします。
入門ゲームでは、まずこの迫りくる炎の精霊からどう森を守るのかだけを抜き出しています。
ゲームの流れは、
1)敵の山札の1番上をそれぞれめくる。
敵が現れるわけですが、この時支援がめくれたら、そのイベントを解決します。
支援は敵が即座に1つ分侵攻してきたり、精霊のパワーが+1段階上がったりとさまざまな効果があります。
戦闘は大きいほうが勝ち。同点だと相討ち。
えー、ここで重要なのは、入門ゲームですと《泉》は戦力1から4が各4枚、《炎の精霊》は戦力0から3が各8枚……適切に進めれば勝てそうですが、支援カードの中に戦力を+1のものに置き換えるカードがあるのが厄介。しかも、戦力0はこの支援によって戦力1ではなく、戦力4になるので要注意。
確実に処理できないと、山札の中の戦力4の《泉》が簡単に突破されることに……!
一方、泉カードが破壊されたらカードを1枚引けますので、弱い《泉》にも使い道はあり。
良く考えて配置するのです!
なお、一番奥(つまり、境界カード)まで到達したら、炎の精霊の戦力に等しい枚数の境界カードがめくれます。
最期に回復させることにして、強くなり過ぎた炎の精霊(戦力4)をあえてスルーする選択肢も、入門ゲームの場合1回だけならありかも。
3)カードを3枚引いて、手札をプレイ。
まず、カードを3枚引いて手札補充。
そして、手札からコスト分の枚数の手札を捨て、カードをプレイできます。
もちろん、コストが払える限り何回でもプレイ可能。
《樹木》はダメージを回復させるためには出しておきたいカード。
特に、入門ゲームでは最初に6ダメージ受けてるので、少なくとも合計で6回復できる樹木を出さないと、負け。
《泉》は戦闘力のある壁。敵の侵攻を塞ぐ要となります。
少なくとも、相討ちにすればカードドローもあるし。
《泉》と《樹木》はプレイエリアに出しますが、《動物》はプレイすると捨て札となり、様々な効果で森を守ります。
ゾウは敵の精霊を1体破壊……鼻で水かけているのか(笑)
なお、手札上限は10枚。
カードは山札が無くなったら、捨て札を再シャッフルします。
……ここまでは簡単な?
しかし、これが上級ルールになると、自分のデッキを構築するステップが加わります。
構築してみた。
《泉》が6枚しかない……しかも戦力4の泉、2枚しかねぇ。
《樹木》多すぎ……《ゾウ》は敵の大戦力カード除去に使えるステキな奴なのに、1枚しか取れなかった。
さらに、上級ルールではゲームのステップでも、デッキを再シャッフルする際に捨て札から2枚のカードが逃走……捨て札になります。
完全に、デッキ構築脳ゲーム……要らなくなったカードならデッキ圧縮に良いけど、デッキの回転も速くなるぞ。
さらに、拡張1ではデッキ構築のステップで、選んだ時にデッキに加わらない代わりに列ごとわきによけて使う《功績》や、デッキに交じってしまう《裏切り者》が加わります。
拡張2では、敵の侵攻に新たな《自然の意脅威》が加わります。
オマケの《荒廃コマ》は、荒廃マークのあるカードが1回では破壊されれなくなるもの。ルールは簡単だけどいやらしい……
それぞれの拡張は、好きに加えてよいのは『オニリム』同様。
入門ゲームだけだと、比較的容易にクリアできると思いますが、上級ルールになるとガラッと歯ごたえが出てくる感じ……入門ゲームはあくまで根幹のルールシステム理解用であり、本番は上級ルールと心得た方が良さそう。
カードのカウンティング、手札マネジメントなど、カードゲームではおなじみのテクニックを使う点ではオーソドックスなタワーディフェンス系ゲームですが、イラストの雰囲気と、テーマと直結したわかりやすいゲーム内容で、入門ゲームだけだと『オニリム』より初心者にはオススメな感じ。随時ステップアップして、上級ルールに挑戦することも難しくは無いでしょう。
『オニリム』のファンの方にはもちろん、1人で遊べるゲームを今お探しの方や、カードマネジメントのお好きな方には強くオススメします。
シルヴィオン
プレイ人数:1-2人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30分
製作:Z-MAN Games
デザイン:シャディー・トーベィ
イラスト:エリス・プレシア
価格:3,000円+税