Immortal Eyes Gamesのロゴ
この夏、アメリカに新登場した新しいゲームブランド「Immortal Eyes Games」。その記念すべき第1弾が、マジック:ザ・ギャザリングを世に生み出したリチャード・ガーフィールドがデザインした2人用戦略ゲーム「ペッキング・オーダー」だ。
このゲームの背景世界は、人類が忘れ去ったジャングルの奥地の遺跡で、2つの種族の鳥類が、序列を決めるために争うというもの。この設定は、カードのイラストと雰囲気たっぷりのゲームボードで表現されている。
ペッキングオーダーのゲームボード
このゲームのコンポーネントは、両側に1~10の数字が書いてある横長のゲームボードと、各プレイヤー13枚ずつのカード。カードの内訳は、1~12までの数字が書いてある鳥カード1枚ずつと、ジャガーカードが1枚の計13枚。
一番左がジャガーカード。鳥カードにはそれぞれ数値が入っている。
ゲームの進行方法は、各自のカードをよくシャッフルして、毎ターン1枚引いて、その引いたカードをゲームボードの自分の側の空いている止まり木(数字が書いてある場所)へ裏向きにして置く。これを対戦相手と交互に繰り返し、後手のプレイヤーが13枚目のカードを引いて、そのカードを配置すると終了する。
ゲームボード上の止まり木(数字が書いている場所)にカードを置いているプレイヤーが、その止まり木をコントロールしていることになり、ゲーム終了時に自分がコントロールしている止まり木の数字の合計が、得点となる。
ボード上の止まり木は、どちらか一方のプレイヤーしかコントロールできず、すでに対戦相手がコントロールしている止まり木は戦闘で奪うしかない。ここで生きてくるのが鳥カードの数字。戦闘を仕掛けるときは、対戦相手がコントロールしている止まり木の自分の側にカードを裏向きで置く。次に対戦相手がそのカードを表向きにする。自分が置いたカードの数字が、表にした対戦相手の数字以上であれば戦闘に勝ち、対戦相手のカードは取り除かれる。自分のカードが対戦相手の数字より小さい場合は、戦闘に負けて自分が置いたカードがゲームから取り除かれ、対戦相手のカードは表向きのまま場に残る。
この写真では、左側のプレイヤーが「2」の止まり木を、右側のプレイヤーが「1」と「3」の止まり木をコントロールしている。左側が「3」の止まり木で戦闘を仕掛けると、右側の「3」カードが表向きになる。
ジャガーのカードは常に相打ちになるカードで、戦闘を仕掛けても仕掛けられても相打ちになり、両者ともゲームから取り除かれる。戦闘を仕掛けられずにゲーム終了を迎えた場合、ジャガーカードはゲームから取り除き、その止まり木は得点にならない。
また、特殊な止まり木があり、数字1の止まり木をコントロールしていると、戦闘を仕掛けられたとき、鳥の数字が同点でも戦闘に勝利する。(通常同点の場合は、戦闘を仕掛けた側が勝利)数字3の止まり木は、そのコントロールを得たターンに、対戦相手の裏向きのカードを1枚見ることができる。ただし、どちらの止まり木もゲーム終了時には、1点と3点にしかならない。
大体のプレイ方法は以上になる。
戦略のポイントとしては、
・数字3の止まり木をコントロールした時は、相手のカード1枚の数字を確認できる。
・勝っても負けても、戦闘を仕掛けられるとカードを表向きにしなければならない。
・カードは全部で13枚、各1枚ずつなので、後半は自分の次に引くカードを推理できる。
・鳥カードの最も大きい数字は12。このカードに勝つのは相手の12の鳥とジャガーだけ。
などの情報を基に、相手のカードを推理して、いかに得点の高い止まり木のコントロールを得ることができるかを競うことになる。
尚、後攻の方が若干有利なため、ルールでは先攻・後攻を入れ替えながら4回ゲームをして、全4回の累計得点の多いほうが勝ちとなっている。
引くカードの順番はランダムなので、戦略はプレイするたびに変化する。相手のブラフを破り、相手にカードを無駄遣いさせる戦略を組まなければならない。終盤は「さすが数学者リチャード・ガーフィールド」とうならせるくらい、得点計算しながらのプレイとなる。
ペッキング・オーダーは、覚えるルールが簡単で、勝つためのブラフと推理と計算が奥深い戦略ゲームだ。
プレイ人数:2人
プレイ時間:約30分(1プレイは、約10分)
私的ゲーム評価
ルール難易度 :易 (覚えることは少ないです)
戦略性 :高 (ブラフと推理、状況判断能力が要求されます)
運 :中 (引くカードはランダムなので、戦略はそのたびに変わります)
コンポーネント :良 (入っている物は簡単で少ないですが、カードとボードは高級感のある仕上がり)
言語依存度 :低 (ボードにちょっとだけ英単語、プレイには影響なし)
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